Pickup 本の中のリスト

人を動かす質問力 (角川oneテーマ21 C 171)

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リストの「使い方」が分かったところで、いよいよ自分のリストを作ってみましょう。

自作リストは人生の財産である、と「はじめに」に書きました。これには2つの意味を込めています。作ったリスト自身が財産になるし、リストを作るスキルも無形の財産になるという意味です。

人生における「知恵の地図」と「意志のコンパス」を手に入れる anchor.png

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一つめは、作ったリスト自身が財産になるということ。人生を旅になぞらえるなら、これまで学んだことのリストは、あなたの「知恵の地図」です。これからこうありたいというリストは、あなたの「意志のコンパス」です。

学んだことをリストにまとめるのは、建物の写真に「学校」とラベルを貼るようなものです。つまり情報に意味を与えて自分の知識にする作業です。建物の写真を集めて上から眺めわたせば、そこに「街」という新しい意味が見えてきます。リスト化した知識も、それらを集めて上から眺めてはじめて、個別に学んだことのつながりが見えてきます。「知恵」として深まっていきます。学んだことのリストが「知恵の地図」になるというのは、そういった意味です。

知恵の地図を持っていても、どこに行きたいかが分からなければ、使いようがありません。人生が旅ならば目的地が欲しいところですが、人生の目的地となると「そこに着いたら死んでもいい」という場所になってしまいます。そこまで思い定めている人もいるかもしれませんが、ごく少数でしょう。そこで、目的地の代わりに方向感覚を磨いてはどうでしょうか。つまり「自分はこうありたい」というイメージをリストとして言葉にするということです。そのリストが自分の判断基準となり、意志決定に主観的な一貫性をもたらしてくれます。こうありたいというリストが「意志のコンパス」になるというのは、そういった意味です。

「リスト化の力」は、メッセージの「構造化」と「表現」の力である anchor.png

二つめは、リストを作るスキルが無形の財産になるということ。言葉をただ箇条書きに並べてももちろんリストは作れます。しかし、すこし注意を払って作ってみることで、仕事や生活を送る上でよく使う思考と表現のスキルを高めることができます。本書では、以下の3つの力を「リスト化の力」と呼んでいます(詳しくは、「よいリストを作るための頭の使い方」で述べます)。

リスト化の力
  1. フレームワーク思考」。リストのテーマに合った項目の候補を洗い出したりリスト項目を構成したりする、論理的な思考力です。
  2. 要約力」。重要なメッセージを抽出して簡潔な表現にまとめる、論理的な思考と表現の力です。
  3. 凝縮力」。要約された文章をより印象的な言葉に凝縮する、感性的な表現の力です。

学んだことや言いたいことを、もらさず集めて、まとめる。つまり、メッセージを構造化する。それを印象的な言葉で表現する。これは、わたし達が日々の仕事や生活で行っている思考やコミュニケーションの根底にある作業です。いや「行っている」というよりは、「行うべきと分かっているが、なかなか行えていない」と言うべきでしょう。

自分用のリストを作ってみることは、そういった思考やコミュニケーションの「基礎体力」づくりにもなるのです。

自分の思いを結晶化する快感 anchor.png

以上、リストの効用をやや理屈っぽく説明しました。しかし正直にいえば、地図だのコンパスだのは、後付けで考えた能書きです。リスト化には、やってみればすぐに分かる、ある種の快感があります。

それは、「自分の思いを結晶化する快感」と呼んだらいいでしょうか。例えば「自分は、この3つの姿勢を大事にしている」と言える。それを大事にしている理由を説明できる。それが実際にできたときに沸いてくる、安心感や自信のような感情です。


ベンチャー企業に勤めていたときの話です。我が社への興味を示してくれたAさんという方とお会いしました。Aさんは社会人10年目くらいの女性で、グローバル企業を中心にすでに数回の転職歴がありました。

よい方だったので条件を提示し、後日あらためてお会いしたとき、Aさんは「転職の3P」という自作のリストを披露してくれました。すなわち、

  • People(誰と働くか?社風は?)
  • Post(職位は?)
  • Pay(報酬は?)

この3つをこの順番で大事にしていると、言ったのです。最初のPはよいが、残りの2つが折り合えない。だから残念ながら諦めると。

明確な判断基準を作っていることにも驚きましたし、それが相手を傷つけない仕組みになっている点にも感じ入りました(もちろん、真意は分かりませんけどね)。その見事な決めっぷりは、リストを自分のものにしている人のそれでした。Aさんのようなリストの作り手と一緒に働く機会を逃したことを、今でも残念に思っています。


もう一つ例を挙げます。前項の「リストを自分流にアレンジしよう」で、「話を聴くための5つの心がけ」をアレンジした話を書きました。

「話を聞く」のは待ったなしのリアルタイムですので、自分なりの心がけを作って覚えておきたいもの。そう考えていたところに、偶然引用元のリストを見かけました。よい機会と思い、自分が重視している項目を入れ、よく使う順序に並べ替え、思い出しやすい言葉で編集したのがあのリストです。

事前の【準備】や【目的】意識なんて項目も入れたいところです。しかし、欲張ってはリストが長くなってしまいます。シーンを問わず「聴く」というときに共通して心がけていることに絞って、時間をかけて考え詰めました。一度言葉にしてみると、会話の中で意識できるようになります。より自信を持って「聴く」ことができるようになります。


自分にとっての大事なことが、この短いリストの中に網羅されているという安心。それを自分が作ったという自信。この本の第2部は、その快感を皆さんとシェアするためにあります。「うまいことよいリストが作れたら、きっと分かりますよ!」では説得力がないので、敢えて分析してみましたが、実のところはそんな気持ちです。

何についてのリストを作ったらよいか? anchor.png

本章では、リスト作りの具体的なステップを説明します。リスト化したいテーマを念頭において読み進められると、ぐっと身近に感じられると思いますので、できればリスト化したいテーマをご用意ください。例えば以下のようなテーマはどうでしょうか。

  • 仕事のコツ(自分のため、あるいは後輩に引き継ぐため)
  • 生活信条
  • 最近学んだこと
  • 親(上司)としての心得

第4章では、リストの用途別に作り方・使い方のコツを書いています。今テーマが思い浮かばない人は、そこまで読んでから本章に戻ってきてもよいと思います。



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最終更新: 2013-10-25 (金) 09:31:00 (JST) by admin

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