Pickup 本の中のリスト

結果を出し続けるために (ツキ、プレッシャー、ミスを味方にする法則)

リスクの取り方の5ポイント(羽生善治)
「私は、アクセルとブレーキをいかに加減するか、どこまでアクセルを踏んで、どこでブレーキを踏むか、リスクをどう取っていくか、いかにリスクを分散させるか、ということを考えながら、日々の将棋を指しています。  この加減は、自分の年代や世代、取り組んでいる物事に対する経験値や、置かれている立場によって変わってきます。」 


例えば10人のセールスパーソンに「我がセールスの10か条」をまとめてもらったとします。するとそこには必ず、セールスというテーマに対する作成者の思いを垣間見ることができます。

あるリストからは「共存共栄」という思いが見えるでしょう。別のリストからは「尽くしてから報われる」、「撒いて、刈り取る」など。もしかしたら「後は野となれ山となれ」なんていう思いが透けてしまうリストもあるかもしれません。

一読してハッとさせられる、メッセージに深みのあるリストには「思想」と呼ぶべき明確で一貫した思いがあります。ですからリスト作りの準備として、

「自分はこのテーマをどう考えているのか」

についてじっくり考えておきます。このステップでは「考えて、書きとめておく」ことが目的であり、なにかの文章を完成させる必要はありません。

いきなり「定義」するのは難しい anchor.png

アランというフランスの哲学者が書いた『定義集』という本があります。「信念」「必然性」など200以上の言葉を、それぞれ数行から1ページほどの文章で定義しています。例えば「信念」であれば、

『これは証拠を欠くあらゆる確信を意味する共通の言葉である。』

という文章に始まり、「信仰」や「盲信」との違いを説明しています。


「信念とは、証拠を欠く確信である。なるほど!」
と感激したわたしは、自分の好きな言葉の定義に挑戦してみました。そして……その内容の貧弱さに驚く結果となってしまいました。「定義」のなんと難しいことか!

試しに、リスト化したいテーマをお持ちの方はそれを、そうでない方は「教養」という言葉を、定義してみてください。


(……5分くらい経った後に……)


どうでしょう、意外にうまく定義できないのではないでしょうか?

そもそも「AはBである(ので、Cではない)」と言い切るのは勇気のいる行為です。あなたが慎重な人なら、定義したそばから自分で反例を思いついてしまうでしょう。加えて、自分の考えを表す適切な言葉を選ぶのも容易ではありません。教養を単に「学識があること」と書き直してみても、具体的にイメージできません。教養のある人の特徴をたくさん挙げてみても、「要するにどういうこと?」という気持ちになってしまいます。

解答の代わりに、第1部の「「教養のある人」の6つの資質」を見てみてください。このリストの作者が「教養」について考え抜いていることがあらためてお分かりいただけると思います。

そこで、少しでも定義をしやすくするための取っかかりとして、「言い換え」と「限定」というツールをご紹介します。

「言い換え」と「限定」で思いを引き出す anchor.png

「言い換え」には、具体的に言い換える方法と抽象的に言い換える方法があります。

具体的に言い換えるとは、定義する対象それ自体を詳しく説明すること。要するに辞書がやっていることです。例えば「転職」ならば「一つの職から他の職に転ずること」(広辞苑)と定義されています。

抽象的に言い換えるとは、定義する対象それ自体には言及せずに説明すること。さきほどの「信念」の定義(証拠を欠くあらゆる確信)も抽象的な言い換えといえます。「転職」ならば、「理想の職を求める勇気、あるいは現職への嫌悪が行動となって顕れたもの」という感じでしょうか。


「限定」には、大きく分けて比較と帰属の2通りのやり方があります。
比較は「○○とは、××の点で違う(似ている)」と説明すること。
例えば、「目標は、期限を定めるという点で夢とは違う」という感じ。
帰属は「○○の一部である」「○○を含む」と説明すること。
例えば、「目標を立てることは、目的を持つことの一部である(従って目的のない目標設定は有り得ない)」という感じ。

定義の方法
言い換え具体的に「転職」とは「一つの職から他の職に転ずること」(広辞苑)
抽象的に「転職」とは、「理想の職を求める勇気あるいは現職への嫌悪が、行動となって顕れたもの」
限定比較「目標」とは、期限を定めるという点で「夢」とは違う
帰属「目標」とは、目的を持つことの一部である(従って目的のない目標設定は有り得ない)

いろいろ試してメモしておこう anchor.png

ここでの目的は、テーマに対する「思い」を文字に表してみることです。ですから一つ一つのアプローチに厳密にこだわる必要はありませんし、あまり時間をかける必要もありません。まずは自由に、いろいろな角度からの定義を試みてみましょう。

内田さんによる「セールス」の定義は、以下のようになりました。

 【言い換え - 具体的】セールスは、「モノを売らず、自分を買ってもらうこと」
 【言い換え - 抽象的】セールスは、「精神的に高度な営み」
 【限定 - 比較】セールスは、「押し売りではない」
 【限定 - 帰属】セールスは、「顧客との長期的な関係作りの一部である」

これだ、という定義ができなくても構いません。具体的にリスト項目を挙げていくなかで定義も固まっていきますし、実は最後のステップでもう一度「テーマを貫く思想」について考えるチャンスがあります。

断片的な文章やキーワードだけであっても、「要するに何が言いたいんだっけな」と迷子になってしまったときに、きっと役に立ちます。定義のメモは保存しておいてください。



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最終更新: 2012-05-17 (木) 18:27:37 (JST) by admin

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