素粒子物理学における3つの研究領域


まえがき

『量子力学は、それ自体が奇妙なだけでなく、その研究領域も奇妙だ。素粒子物理学には、理論、実験、そしてその中間に、◯◯という領域がある。』

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あとがき

まえがきを含めて、ザビーネ・ホッセンフェルダー『数学に魅せられて、科学を見失う』 (みすず書房、2021年)より。各項目の英語は原著にあたれなかったので著者のホームページから引用しました。

まえがきの◯◯は「現象論」です。二者択一にしか思えないペアに第三の要素を加える体のリストが好きなので思わず収集。

現象論(者)とは何か。

現象論者とは、(ゴードン・ケインのように)理論から予測を引き出す人々で、それには普通、数学的扱いをより簡明にし、何がどの程度の精度で、いかにして測定できるかを明らかにする(さらに、誰によって測定されるかを含むことも珍しくない)という方法を使う。

 物理学のほかの分野では、素粒子物理学におけるほど、研究者たちが明確にこれら三つの領域に分類されることはない。

たしかに Wikipedia 日本語版にも、自然科学における「現象論」や、もちろん哲学の「現象主義」とは別に「現象論 (素粒子物理学)」というエントリがありました。

実験が帰納されて理論となり、理論から生まれる予測が実験で裏づけられる。科学にはそういった循環があり、著者も『現象論者はあらゆる分野に存在する』と述べています。しかし素粒子物理学は、実験が大がかりで困難ないっぽう理論は形成されているので、理論からの予測が一つの研究領域として成立するくらい大きなテーマになっている、と理解しました。

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