2009年1月に、国際メンターシップグラジュエートスクールというスクールで5時間の講義の講師を務めました。学長の吉川宗男教授から、受講生が2年間のコースで学んだことをまとめる支援をして欲しいとのご要望を賜って実施したものです。
担当したのは、2年間のコースの実質的な最終回です。そのあと受講生の皆さんは予行演習を経て最終プレゼンテーションに臨まれます。途中からコースに参加されたかたもいらっしゃるとのことでしたし、皆さん社会人ですのでそれぞれ違った目的を持って学ばれているはず。それらを踏まえて、各自の学びを共有しながら最終的には自分の学びをリストとして凝縮できることを目標に、設計しました。
1.『リストのチカラ』+リスト作りの手順1
皆さん、事前に『リストのチカラ』には目を通してくださっています。そこでリストの効用や作り方についての説明は最小限にとどめ、さっそくグループごとに自由にテーマを選んでリストを作ってみることにしました。16人が4つのグループに分かれて、グループごとにテーマを決めてリストを作成していきます。わたしは、「集める → 束ねる → 固める」というステップと、手を動かしながらそれらのステップを実践するための小道具を提供しただけです。それだけで、皆さんは素晴らしいリストを作成されました。
2.リスト作りの手順 2+ 枠組みの作り方
次のグループワークは、よく知っているテーマで、しかしノーヒントでリストを作ってみます。テーマは【あなたが定義する「優れたメンター」とは、どのような人物ですか?】としました。
この演習はリストの作り方をおさらいすることと、もっとも難しい「枠組みづくり」を体感し、ヒントを共有することが目的です。そこで、リスト項目が簡単に出せそうなテーマを選んだつもりでした。しかし、このリスト作りはかなり難航しました。わたしは「皆さんメンタリングにお詳しいのでネタは簡単に集まるだろう」と簡単に考えていたのですが、ここは設計が甘かった。よくご存じのテーマであるがゆえに、全員の「優れたメンター」像を集めるだけでも膨大な量になります。わたしの想定していた時間には収まらず、納得のいく形まで持って行けなかったチームもありました。
3.学びを総括する
さあいよいよ本番です。全員が自分だけのリストを作ることをゴールとしつつも、2年間で学んだことをお互いに共有していく時間にもしたい。そこで「集める」フェーズでは、ポスターセッション方式と名付けている方法で、一人ひとりが自分の学びを発表したり、他の方々の学びを聞いたりする時間を設けました。わたしも皆さんの話を聞きながら会場を回りました。話を聴いていると、素晴らしいゲスト講師が、それぞれ素晴らしい話をされていることがよく分かります。わたしも受講生として参加したかった。
そのあと、「束ねる」「固める」のフェーズは個人ワークの時間が長くなります。予定では1日のうちにリストを作りきってミニ発表会……という進行にしたかったのですが、随所で盛り上がりすぎてそこまではたどりつけませんでした。
今回は、2年間もの時をともに過ごされてきた仲間が参加者でした。しかも、内なる蓄積が豊富な方々ばかり。おかげさまで、とても楽しい時間となりました。ありがとうございました > 参加者の皆様、吉川先生