- 現状 ― 私たちが主人公と一体化する
- きっかけ ― 何かが起こり現状のままでいられなくなる
- 探求の旅 ― 課題に対処する
- 驚き ― ストレスや脅威の本当の要因と出合う
- 重大な選択 ― 板ばさみ状態によるジレンマ
- クライマックス ― 決断し何かを選択する
- 方向転換 ― 決断の結果として変化が起こる
- 解決 ― 方向転換が成功する
解説
本であれ映画であれ、およそ「物語」という形式には普遍的な構造がある。たしかにそうだと、この話を初めて読んだときにはびっくりしました。
「物語」の形式はさまざまに応用可能です。
例えば提案書や企画書。数字を並べるだけでなく、この提案にいたる物語を添える。あるいはその提案がもたらすメリットを物語によってイメージしてもらう。マーケティングのテクニックとしても使われはじめています。
あるいは転職面接。「自分は人を巻き込む力があります」と言うよりは、実際に人を巻き込んで何かを達成したときの話をエピソードとして語った方が、臨場感があります。
杓子定規に「現状」−「きっかけ」…というように物語を組み立てるのが良いとも思いませんが、当てずっぽうに物語を書いても良い物語になるとは限りません。このリストは典型的な(そしてかなり充実した)「型」です。「型」を分かった上で崩すのと、ただ意識しないのは違います。この「型」から必要に応じて削っていって作った物語は、ただ書いてみた物語よりは良くできているはずです。
引用元
M・パーキン 『人を動かす50の物語』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2004年