- 返報性 ― 人は、他者から何かを与えられたら自分も同様に与えるように努める。
- 一貫性 ― 人は、自分の言葉、信念、態度、行為を一貫したものにしたい(あるいは他の人にそう見られたい)という欲求がある。
- 社会的証明 ― 人は、他の人々が何を信じているか・どう行動しているかを見て、自分が何を信じるべきか・どう振る舞うべきかを決める。
- 好意 ― 人は、自分が好意を感じている知人に対してイエスと言う傾向がある。
- 権威 ― 人は、権威に服従しやすい。
- 希少性 ― 人は、機会を失いかけると、その機会をより価値あるものとみなす。
解説
『影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか』は、よくできたセールスがいかに巧みに人間の心理を突いているかを分かりやすく解説してくれる、古典的な名著です。こういったセールスは手法として確立されています。自分の傾向をメモしておいたり、自分が引っかかりやすいバイアスをリストしておくと自分を知るのに役立つのではないでしょうか。
このような人間一般の心理について学ぶことは、もちろん騙されないようにする以上のメリットがあります。自分を伸ばすことにも、人間関係をよくすることにも応用が可能です。
たとえば、よく「目標は宣言しよう」といいます。これは「一貫性」の力を使っています。「情けは人のためならず」という諺は、「返報性」「好意」に基づいています。
最近は行動経済学や脳科学の分野でも認知(何かを知る過程)の偏りや誤りに関する研究が進んでいます。社会人として追いついておきたい分野の一つです。
引用元
ロバート・B・チャルディーニ 『影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか』
※出版後に新版が出版されたので、文中のリンクを差し替えています(2019/6/23)