まえがき
『物理学者の池内了は、疑似科学を三つのタイプに分けている。』
リスト
- 第一種疑似科学:占いや心霊主義など、精神世界に端を発したものが、物質世界とかかわり、科学的装いをまとったもの。
- 第二種疑似科学:サプリメントや性格診断のように、根拠のない「科学的効果」をもとにビジネスをするもの。
- 第三種疑似科学:異常気象や地震予知、政策の効果や経済変動など、複雑であるがゆえに科学的に究明しにくい現象を、あたかも原因がしっかりわかっているかのように自説を展開するもの。
あとがき
まえがきを含めて、石川 幹人『なぜ疑似科学が社会を動かすのか』 (PHP研究所、2016年)より。リストは本文からの引用です。池内了『疑似科学入門』[1]からの引用とのこと。
なかなか鑑賞しがいがあるというか、言葉そのものも、種類の線引きも、難しいリストです。
たとえば第一種。「精神世界に端を発したものが物質世界とかかわり」とあって、占いが例に挙がっています。でも占いは言葉。物質世界とかかわっているのでしょうか。
ただの占いを科学的な裏付けがあるかのように見せて物質的・金銭的利得を得ようとしたならば、物質世界とかかわりが生じると思います。でも「ビジネスをする」のは第二種。
著者の解説を基に、自分のために解釈したリストをメモしておきます。あとで『疑似科学入門』にも目を通しておきたい。
- 科学とは別の次元で信奉されてきた信念に科学的な根拠があるとした言明(例:似非宗教)
- 意図的に科学らしさを装って作り上げられた理論体系(例:性格診断)
- 科学的にまだ説明できていない複雑な現象を科学的に説明できるとした言説(例:経済変動の予言)
参考文献
[1] 池内 了『疑似科学入門』 (岩波書店、2008年)