近代科学の三大原則


まえがき

「中村氏は、『臨床の知とは何か』の中で、近代科学の三大原則である、普遍性、論理性、客観性を以下のように説明しています。」

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  • 〈普遍性〉とは、理論の適用範囲がこの上なく広いことである。例外なしにいつ、どこにでも妥当するということである。だから、そのような性格をもった理論に対しては、例外を持ち出して反論することはできない。
  • 〈論理性〉とは、主張するところがきわめて明快に首尾一貫していることである。理論の構築に関しても用語の上でも、多義的な曖昧さを少しも含んでいないということである。
  • 〈客観性〉とは、或ることが誰でも認めざるをえない明白な事実としてそこに存在しているということである。個々人の感情や思いから独立して存在しているということである。だから、そのような性格をもった理論にとっては、物事の存在は主観によっては少しも左右されないということになる。

あとがき

まえがきを含めて、諏訪 正樹ほか『「間合い」とは何か: 二人称的身体論』(春秋社、2020年)より。リストはまえがきにあるように、中村 雄二郎『臨床の知とは何か』(岩波書店、1992年)からの引用部分の孫引きです。引用文をすこし編集してリスト化しました。

似て非なる概念が平易な言葉でかき分けられていて魅力的。

ちなみに中村氏が著書で述べているのは、『近代科学は、この三大原則が厳密で世界を見る視点を強く制限するがゆえに、現実世界の重要な側面を捉えて損ねている』という考察。

    • タイトル臨床の知とは何か
    • 著者: 中村 雄二郎(著)
    • 出版社: 岩波書店
    • 出版日: 1992-01-21

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