まえがき
『科学的な実験に重要な事項の頭文字をとって合言葉をつくり実験計画を立てる際に「考える視点を与え思考を補助する」ことによって、実験計画力が高まるのではないか。』
リスト
- さいげんできますか?〈再現性〉
- かいすうは何回行えば信頼できる結果がえられますか〈客観性〉
- なっとくさせることができますか?(数値・現象)〈実証性〉
- あんぜんですか?〈適切な方略〉
- じかんはどれくらいかかりそうですか?〈適切な方略〉
- でーた(結果)をどのように整理して表現したらわかりやすくなりますか?〈技法〉
- ひとは何人必要で、だれがなにをどんな順番でしますか?〈適切な方略〉〈材料〉
- ものは何がどのくらい必要ですか?〈装置、及び用いる材料〉
あとがき
まえがきを含めて、参考文献[1]より。リストは本文および図表から作成しました。この合言葉の目的は、『理科における小学生の実験計画力を育成する』こと。各項目の最後に付けた〈〉内の単語は、各項目がこの研究における「実験計画力」および「科学的」の定義にどう関連付けられているかを示しています。その定義の部分を下に引用します。
これ(引用者注:合言葉)は、本研究における実験計画力の定義「予想を立て、科学的な知識と理解を用いて様々な考えを調査できる形式に変換し、適切な方略を計画するとともに、収集しようとするデータの範囲と程度、技法、装置、及び用いる材料を決定する能力」と「科学的」の3要件である「実証性」、「再現性」、「客観性」を考慮して、児童が実験方法を考える視点として独自に作成したものである。
ひさしぶりに「カンカラコモデケア」「カモデシャビトゲン」「キドニチカケ・モ」的な、ちょっと無理めの頭字語(失礼)を発見してしまいました。
参考文献
[1] 岸田 拓郎, 小倉 康, 実験計画力を育成する「実験計画シート」の開発とその有効性の検討, 理科教育学研究, 2018, 59 巻, 1 号, p. 39-48