まえがき
『お金は大切だ。誰も異論はない。(略)しかし、お金が先に意識にある時に、お金よりも大切なものに気づくことは容易ではない。それは、お金には、複数の「厄介な性質」があるからだ。』
リスト
- 比較尺度としての貨幣: たいていのものは、人間ですら、お金に換算して価値を比較することができる。
- 「貨幣の物神性」: 貨幣を持たないと安心できないし、いくら持っていたら安心だという基準もない。
- 貨幣愛が生む需要不足: 経済を循環するはずだった需要が抱え込まれ、一層の需要不足を生み、景気の悪化がさらに進む。
あとがき
まえがきを含めて、山崎 元『がんになってわかった お金と人生の本質』 (朝日新聞出版、2024年)より。リストは本文の編集・引用です。
第2項目が「貨幣の物神性」とかぎかっこ付きなのは、引用句だから。貨幣は、ほぼ何でも買える、神のような特殊な商品であり、カール・マルクスは『資本論』の中で貨幣のこの特別な性質をこのように呼んだそうです。
資産形成についてはこの方のメッセージをけっこう信頼していました。早逝が惜しまれます。