まえがき
『「初心」とは、芸の未熟さのことです。自分が未熟であることを忘れず、常に自分を戒めなければ成長しないという意味が込められています。『花鏡』の中では、さらに3つの初心について書かれています。』
リスト
- 是非の初心忘るべからず(入門したばかりの頃に感じる「是非=良い・悪い」の初心)
- 時々の初心忘るべからず(経験を重ねる中でその時に合った演じ方を行なううえでの初心)
- 老後の初心忘るべからず(老年を迎えてはじめて挑戦できる芸への初心)
あとがき
まえがきを含めて、齋藤孝『読書する人だけがたどり着ける場所』 (SBクリエイティブ、2019年)より。リストは本文を編集・引用して作りました。カッコ書きで添えたのは著者の解説です。3つの初心はさまざまな本で解説されているのを見かけますが、こちらはコンパクトでわかりやすい。
是非の初心、時々の初心。その先に老後の初心がある、という構成が好きです。心身が衰えて、これまでできたことができなくなっていく。でもその状態で初めて挑戦できる芸への初心というものがある。