- ブレインストーミングは、アイディアを合わせ、広げるもの。ただアイディアを集める場ではない。
- メンバーの気持ちが前向きでなければ、効果はない。
- ブレインストーミングの前後に、個人で考える時間を作ろう。創造性は、個人の思いつきと議論の相互作用の中で形になっていく。
- ブレインストーミングだけでは前に進まない。アイディアを試す他の取り組み(プロトタイピングなど)と組み合わせよう。
- ブレインストーミングには、とりわけそのファシリテーションには、スキルと経験が必要である。
- 自らのスキルで成果に貢献しようとする、よい意味での「競争」が、よいブレーンストーミングを生む。
- ブレインストーミングにはおまけがある。例えば、企業文化や知識(誰が何を知っているか)の共有の場でもある。これらの効果を意識的に享受しよう。
- ルールを決め、必ず守ろう。標準的なルールは1)批判しない、2)突飛なアイディア歓迎、3)質より量、4)他者の発言に乗る。
解説
ブレインストーミング(以下ブレスト)というと8(標準ルール)にまとめたルールがよく知られていますが、このリストにはブレストの効率を高めるためのコツがたくさん盛り込まれています。ぜひブレスト仲間に回覧してあげてください。
3(前後に個人で考える)は特に意義深い。つい安直に「ブレストしよう」と言いたくなりますが、ゼロは何倍してもゼロ。「ひとりブレスト」でアイデアを書き出してから持ち寄れば、ブレストは大きく加速します。
6(よい意味での「競争」)にもハッとしました。たしかに、参加者のちょっとした自己顕示欲と貢献欲がブレンドされると、話が活発になる気がします。
付け加えるとすれば、2(前向きな気持ちで)と重なるかもしれませんが、「リラックス」を挙げたいと思います。
うまく行かなかったブレストに立ち会ったことがあります。なかなかアイデアが出ず、司会役の言葉が刺々しくなってしまいました。「これじゃあ議論が進みませんよね、だってアイデアが出ないんですから」と言いつつ、白紙を前にペンを持ち、「さあアイデアを出せ」という構え。
成果は……ご想像のとおりです。
引用元
Robert Sutton, “Eight Tips for Better Brainstorming“, BusinessWeek, JULY 26, 2006
見出しだけ訳しても分かりづらいので、解説文を含めて意訳しました。