まえがき
善悪の価値観の中を漂流している少年は、自分たちの行為を正当化する理由付け(中和の技術)を導入することで、非行に走っていく。その理由付けの5類型とは。
リスト
- 【責任の否定】自分はある環境に巻き込まれたのであって、自分には責任がない
- 【加害の否定】これは遊びやふざけであるので、たいしたことではない
- 【被害の否定】これは、相手が受けて当然の攻撃であって、相手にこそ責任がある
- 【非難者の非難】こうした行為を非難する者も問題含みであり、非難する資格はない
- 【高度の忠誠への訴え】忠誠を誓うべき秩序や大義が荒らされているのだから、見逃せない
あとがき
荻上 チキ 他『ダメ情報の見分けかた―メディアと幸福につきあうために』より。デイヴィド・マッツァ『漂流する少年―現代の少年非行論』からの引用であると記されています。『漂流する少年』にはあたっていませんが、この5項目は”Techniques of neutralization“(Wikipedia)でも確認することができました。
なるほどー。最初からワルでいようと思わなくても、こういう正当化(中和)を経て徐々に攻撃的になっていくというメカニズムは、ありそうです。
「戦争プロパガンダ 10の法則」とか「不正のトライアングル」を連想しました。