まえがき
「『リヴァイアサン』(一六五一年)のなかで、彼はわずか百語にも満たない言葉で人に暴力をふるわせる誘因について分析しているが、これは今日のどのような暴力にもあてはまる。」
リスト
- 【競争(利得を求める)】 自分たちを他の人びとの人格・妻子・家畜の支配者とするために、暴力を使用する。
- 【不信(安全を求める)】 自分たちを防衛するために、暴力を使用する。
- 【誇り(評判を求める)】 言葉や笑い・違った意見など、直接間接を問わず自分たちを過小評価していることを示す些細なことのために、暴力を使用する。
あとがき
まえがきを含めて、スティーブン・ピンカー『暴力の人類史 上』より。リストは本文を編集してまとめました。
第2項目「不信」については、現代では「恐れ」と呼んだ方が適切であること、また第3項目「誇り」(グローリー)についても「名誉」「信頼性」のことであると注釈がついています。また他の箇所では、利得を求めて略奪的な攻撃を、安全を求めて先制攻撃を、評判を求めて報復攻撃を行うとも書いてあります。略奪・先制・報復は枠組みとして確からしく感じるので、この3つの誘因リストの説得力も高まりました。
まえがきのとおり『リヴァイアサン』からの引用です。ちょっと目を通してみようと思ったものの、あまりにも大著なので断念。
- タイトル: 暴力の人類史 上
- 著者: スティーブン・ピンカー(著)、幾島幸子(翻訳)、塩原通緒(翻訳)
- 出版社: 青土社
- 出版日: 2015-01-28