まえがき
『社会的・感情的発達は「段階」という考え方を用いて測定され、それらの段階は階段のはしごのようなものです。すなわち、発達段階2を経ることをせずに発達段階3には到達できないのです。』
リスト
- 段階2:手段・道具的段階(他者=自己の欲求を満たす手段 / 欲求=他者の欲求を退けること / 価値観=「弱肉強食」)
- 段階3:他者依存段階(他者=自己イメージを形成するために必要なもの / 欲求=集団や組織に従属すること / 価値観=「コミュニティ」)
- 段階4:自己著述段階(他者=協力者、同僚・仲間 / 欲求=自己の独自の価値観を求めること / 価値観=「自己決定」)
- 段階5:自己認識段階(他者=自己の変容に貢献する者 / 欲求=責任と限界を結びつけて自己を捉えること / 価値観=「人間性・慈悲心」)
あとがき
まえがきを含めて、オットー・ラスキー『「人の器」を測るとはどういうことか 成人発達理論における実践的測定手法』 (日本能率協会マネジメントセンター、2024年)より。参考文献[1]からの引用とのこと。
キーガン (1982) の功績に従い、本書では発達段階を2から5の整数値とし(整数値間の移行段階も扱うものの)、発達段階0および1は幼児から青年期初期の人間に当てはまるため、それらは考慮していません。
リストは本文中の表から一部の側面を取り出して作成しました。表で網羅されていた側面は、他者の捉え方/自己認識/価値観/欲求/支配欲求/コミュニケーション/組織における地位・役割 と多岐にわたります。
- タイトル: 「人の器」を測るとはどういうことか 成人発達理論における実践的測定手法
- 著者: オットー・ラスキー(著)、加藤 洋平(翻訳)、中土井 僚(翻訳)
- 出版社: 日本能率協会マネジメントセンター
- 出版日: 2024-02-28
参考文献
[1] Kegan, Robert. The evolving self: Problem and process in human development. Harvard University Press, 1982.
- タイトル: The Evolving Self: Problem and Process in Human Development
- 著者: Kegan, Robert(著)
- 出版社: Harvard University Press
- 出版日: 1983-08-15