まえがき
『「一本の釘の不足から」とは、何世紀にもわたり多くのバリエーションを持つことわざである。一見重要でない行為や不作為が重大で予期せぬ結果をもたらす可能性があることを思い出させてくれる。』
リスト
- 一本の釘の不足から馬蹄がダメになり、
- 一つの馬蹄の不足から馬がダメになり、
- 一匹の馬の不足から騎士がダメになり、
- 一人の騎士の不足から戦闘が失われ、
- 一つの戦闘の敗北から王国が失われた。
- すべては一本の馬蹄釘の不足から起こったこと。
あとがき
リストはアラスデア・マッキンタイア『美徳なき時代【新装版】』 (みすず書房、2021年)の訳注からの引用です。
本文に、ある批評家の言葉として「王国は一本の釘の不足から滅びる」とあり、訳注では『次の格言を踏まえての言葉』だとしてリストが紹介されていました。
原点を探してみたら Wikipedia に “For Want of a Nail” というエントリがあったので、冒頭部分を私訳してまえがきとしました。よく知られた格言なのですね。
「千丈の堤も蟻の一穴より崩れる」と同じ意味ですが、破局的結末に至るメカニズムが「風が吹けば桶屋が儲かる」的につながっていて面白いリストです。タイトルも蟻の一穴に合わせて「王国は一本の釘から滅びる」としています。
本書のメッセージとはまるで関係ないのですが、収集しておきたくなりました。
- タイトル: 美徳なき時代【新装版】
- 著者: アラスデア・マッキンタイア(著)、篠﨑榮(翻訳)
- 出版社: みすず書房
- 出版日: 2021-11-04