まえがき
『私は、人間の営みには〈体系的な予測不可能性〉 (systematic unpredictability) の四つの源があると論証したい。』
リスト
- 根元的な概念上の革新が起こること: 根元的に新しい概念は、発明ないし発見されるまで、それを説明することができない(「根元的な」とは既存の概念の組み合わせではないという意味)
- 未完了の諸決定が予測不可能な諸結果をもたらすこと: 人は自分の未来の行為を予測できず、しかも互いの行為が互いの行為に影響を与え合う
- 社会生活のもつゲーム理論的な性格: 交渉など、互いの未来の行為が互いに予測不可能となるようにふるまう場合がある
- 純粋な偶然性: 些細な偶然性が大きな出来事の結果に強力な影響を与えうる
あとがき
まえがきを含めて、アラスデア・マッキンタイア『美徳なき時代【新装版】』 (みすず書房、2021年)より。リストの見出し部分は「訳注」からの引用、解説部分は第4項目を除いて独自に作成しました。長い論証を圧縮したので不十分ではありますが、見出しだけでは思い出せなさそうなので。
「(経営判断において)正解はない」といった表現をよく使います。しかしその不確実さの源をじっくり考えたことがなかったと、本書のこの部分を読んで痛感しました。