まえがき
『諸徳はどのようなしかたでこれら三重の機能を果たすのかを理解するためには、私たちはまずもって、諸徳の行使が要求するような秩序づけられた社会関係と、諸徳に関する従来の説明においては必ずしも正当な評価を受けてこなかったいくつかの徳の重要性の双方をより十全なしかたで特徴づける必要がある。』
リスト
- 一連の知的な徳や道徳的な徳を育むことなしには、実践的推論能力を発揮できるようにはならないし、その後、その能力を発揮し続けることもできない。
- 同様の諸徳を育んでいなければ、他者たちが実装的推論能力を発揮できるようになるうえで、またその後、その能力を発揮し続けるうえで必要としているケアや教育を、彼らに対して適切に施すことができない。
- 諸徳を身につけることなしには、ネグレクト、共感の欠如、愚かさ、欲深さ、悪意などから自分自身を、またお互いを十分に守ることもできない。
あとがき
まえがきを含めて、アラスデア・マッキンタイア『依存的な理性的動物: ヒトにはなぜ徳が必要か』 (法政大学出版局、2018年)より。リストは本文を編集して作成しました。
徳倫理の復権というか必要性を論じる本書。徳、ヒトの開花、実践的推論能力などの言葉の本書における意味合いの解説なしには理解が難しいリストですが、そういった定義をまとめていくとかなり長くなってしまうので、残念ながら割愛します。
- タイトル: 依存的な理性的動物: ヒトにはなぜ徳が必要か
- 著者: アラスデア・マッキンタイア(著)、高島 和哉 (翻訳)
- 出版社: 法政大学出版局
- 出版日: 2018-05-15