まえがき
『ペンシルベニア州立大学保健・人間発達学部のデヴィッド・コンロイ教授(略)によると、人にモチベーションをもたせる恐怖には主に5つのタイプがあるという。』
リスト
- 恥をかくことへの恐怖
- 好ましい自己イメージを失うことへの恐怖
- 不確かな未来への恐怖
- 大切な人たちに関心をもたれなくなることへの恐怖
- 大切な人たちの不興を買うことへの恐怖
あとがき
まえがきを含めて、ブラッド・スタルバーグ、スティーブ・マグネス『パッション・パラドックス 情熱をマネジメントして最高の仕事と人生を手に入れる』 (左右社、2020年)より。コンロイ教授の2002年の論文[1]からの引用のとのこと。
この5項目はAbstractにも載っていましたので引用します。
- experiencing shame and embarrassment
- devaluing one’s self-estimate
- having an uncertain future
- important others losing interest
- upsetting important others
こうしてみると、やはり他人からどう見られるかが恐怖の源なんですね。著者はこうも述べています。
コンロイの研究によれば、 これらの恐怖は差し当たり強力なモチベーションを生む場合もあるが、いずれも長続きしないことがわかった。
まあ、それはわかりますね。
「情熱」をテーマとするこの本では「悪しき情熱」、つまり短期的には成果につながるが長続きしない情熱を2つのパターンにまとめています。
- 報酬に突き動かされるパターン。外的な成果や評価に対する依存症状態に陥る。
- 恐怖に突き動かされるパターン。他人や自分自身を失望させたくないと思い、失敗を回避するために行動する。
『両方のパターンに共通するのは、ある活動をすることそのものに感じる喜び以外の要因により、情熱が突き動かされていることだ。』とのこと。アメもムチも永続的な情熱をもたらすものではないということですね。
- タイトル: パッション・パラドックス 情熱をマネジメントして最高の仕事と人生を手に入れる
- 著者: ブラッド スタルバーグ(著)、スティーブ マグネス(著)、池村 千秋(翻訳)
- 出版社: 左右社
- 出版日: 2020-07-24
参考文献
[1] Conroy, David E., Jason P. Willow, and Jonathan N. Metzler. 2002. “Multidimensional Fear of Failure Measurement: The Performance Failure Appraisal Inventory.” Journal of Applied Sport Psychology 14 (2): 76–90. doi:10.1080/10413200252907752.