【目標設定】書きつつ考える、目標設定の5つのコツ

書くことは考えること。目標も、リストに書き出して具体化しましょう。

夢に入れるのは、日付だけじゃない

前ページの「願望」の中から、実際にその状態を達成しようと決めたものに関しては、「目標」を立てます。しばしば目にする「夢に日付を入れよ」という言葉は、願望を目標に落とし込むための一歩を促してくれます。わたし達は既に「目標設定の「SMART」な原則」を手に入れていますから、さらに具体的な目標を立てられるはずですね。

目標も、もちろんリスト化してみましょう。自己啓発に関する著作の多いブライアン・トレーシーは、今後1年で達成したい目標を10個リストアップすることを勧めています。

おもしろいことに、このリストをどこかにしまい込んでしまっていても、あなたの人生はすっかり変わる。一年後、その紙を開いてみると、一〇項目のうち八つが達成されているのに気づくはずだ。

それぞれの目標達成の陰には、思わぬ幸運な発見や同時発生的な驚くべき出来事があることもわかるだろう。予想も計画もしなかったような、互いに関連した素晴らしい偶然の一致が見つかるだろう。要するに、いま想像もつかない形で一〇の目標のうち八つを達成することになるのだ。

―『「夢のリスト」で思いどおりの未来をつくる!

「本当かなあ」と思っている(だけで、実際にリストを作らない)人のために、著者は抜け目なくこんな言葉を添えています。

『成人の九七パーセントの方は、書面にした目標を持たない。』

書きつつ考える、目標設定の5つのコツ

ただし、書きさえすればなんでも達成できるというものではありません。書くというプロセスを通じて考え抜くことが真の目的であり、自分に考えさせ続けるためには、リスト化においてもいくつかのコツがあります。

1. 既に達成したかのように書く(現在形で書く)

新年の目標であれば、1年後の大晦日、既に目標を達成した自分が一年を振り返って書いているかのように書きましょう。

× 「できるだけダイエットに取り組む時間を作りたい」

○ 「体重を60Kg(5Kg減)に落として軽快に過ごしている」

2. 具体的なイメージを書く

1. に気をつけると、自然と具体的なイメージを考えざるを得ません。細部まで想像してみることは、実際にうまく転がり出したときの準備作業でもあります。偶然を活かせるかどうかは、この準備が整っているかどうかに掛かっているといえるでしょう。

わたしがお手伝いをしたある起業家の方は、起業前のディスカッションで既に「ああ言えばこう言う」状態でした。起業後は、もちろんハプニングの連続ですが、ピンチは何とか切り抜けて、チャンスは抜け目なく掴んで、成長を続けています。

その方を見ていると、ピンチやチャンスというものは

「いつ」起きるかは分からなくても、

「何が」起きるかについては、かなり想定できる ということが学べます。

「思いがけない幸運」のようなものについてさえ、十分に布石を打つ努力を惜しまないという前提があれば、ある程度織り込んで考えていいのです。

3. 肯定文を書く

もし目標が何か「悪いクセを止める」ことであれば、それを「良い習慣を身につける」と言い換えてみましょう。これも自分の目標とする状態や行動を具体的にイメージする助けになります。

× 「運動不足を何とかする」

○ 「1日15分運動する習慣が身についている」

4. 元気の出る言葉を選ぶ

読み返すために書くのですから、淡々とした言葉よりは自分が読んでやる気の沸くような言葉を選びましょう。

5. 「達成して、ソレデ?」も考えておく

目標にはなんらかの目的があります。たとえば「体重を○キロ減らす」という目標の目的は、「健康でいるため」や「美しく見られるため」です。人によっては「自制心を磨くため」かもしれません。

目標を達成できない最大の原因は、目的を見失うことです。目的を見失ってしまうと、やる気を維持することができなくなります。例えば「健康でなくてもいいや」と思ってしまえば、体重を減らす意欲も無くなってしまいます。また、目標それ自体が目的にすり替わってしまい、当初の目的を見失ってしまう、「自己目的化」というパターンもあります。例えば体重を減らすプロセスに没頭してしまい、健康を損ねるまで続けてしまったというケースです。

「目標を達成して、ソレデ?」は、目的を意識し続けるための問いです。もし目的を見失ったり、 目標が目的となってしまった場合には、この問いに答えることができません。

目標を書き出すプロセス自体にも、自分に考えさせるという目的があります。ですからスラスラとはいきません。1から5を何周かしながらブラッシュアップするイメージでやってみるとよいと思います。

書きつつ考える、目標設定の5つのコツ