【文章】「物語」が共通に持っている8段構成

  • 現状 ― 私たちが主人公と一体化する
  • きっかけ ― 何かが起こり現状のままでいられなくなる
  • 探求の旅 ― 課題に対処する
  • 驚き ― ストレスや脅威の本当の要因と出合う
  • 重大な選択 ― 板ばさみ状態によるジレンマ
  • クライマックス ― 決断し何かを選択する
  • 方向転換 ― 決断の結果として変化が起こる
  • 解決 ― 方向転換が成功する

解説

本であれ映画であれ、およそ「物語」という形式には普遍的な構造がある。たしかにそうだと、この話を初めて読んだときにはびっくりしました。

「物語」の形式はさまざまに応用可能です。

例えば提案書や企画書。数字を並べるだけでなく、この提案にいたる物語を添える。あるいはその提案がもたらすメリットを物語によってイメージしてもらう。マーケティングのテクニックとしても使われはじめています。

あるいは転職面接。「自分は人を巻き込む力があります」と言うよりは、実際に人を巻き込んで何かを達成したときの話をエピソードとして語った方が、臨場感があります。

杓子定規に「現状」−「きっかけ」…というように物語を組み立てるのが良いとも思いませんが、当てずっぽうに物語を書いても良い物語になるとは限りません。このリストは典型的な(そしてかなり充実した)「型」です。「型」を分かった上で崩すのと、ただ意識しないのは違います。この「型」から必要に応じて削っていって作った物語は、ただ書いてみた物語よりは良くできているはずです。

引用元

M・パーキン 『人を動かす50の物語』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2004年