博物学者や科学者のように考える方法


まえがき

『常に科学的であろうと心がけることは、問題解決のための枠組みを提供し、人の心が陥りがちな落とし穴の多くからあなたを守ってくれます。謙虚さと明晰さを追求してください。』

リスト

  • 知識には慎重に手を伸ばす …… 科学的誠実さをもつためには、謙虚さをもち、自分がひょっとすると、時には、かなりの確率で間違えるのだと認識して、この作業に取り組むことが大切です。
  • 認識論で深い理解に近づく …… 認識論とは、知識とは何か、知識はどうやって成り立っているのかに向かい合い、吟味する実践のことです。いま自分が考えていることを、そもそも、なぜそう思うのか自問することで、アイディアや意見の裏にある論理的な根拠にたどり着けるでしょう。
  • 驚きに心を任せる …… 驚きの気持ちは、あなたの心の営みであり、いわば自然界からの贈り物です。驚きの瞬間をあなたのジャーナルに記録してください。その横に小さな感嘆符のアイコンを記し、それらを分類して、その価値に敬意を払うのです。
  • 考えは変えるもの …… 政治の世界なら、考えをすぐに変える人はしばしば「風見鶏」と見なされてしまうでしょう。しかし、証拠を前にして心を変えることは、勇気、知力、柔軟性、物事を正確に捉えようとする意識、そして正直さの表れです。あなたが世界をよりよく理解しようとするならば、必要なことです。
  • 間違えるのが人間です …… 論理的に考えているつもりでも、間違っていることがあると自覚することは、証拠を収集し、世界の理解を深めるときに大切なことです。
  • ジャーナリングによる知の構築 …… あなた自身の世界の捉え方を追跡することは、あなたが知を享受するための、寛大な敬意に溢れた、真摯かつ力強い行動なのです。新しい説明を受け入れることも、証拠をしっかり吟味した結果として考えを変えることも、同じように力強いことなのです。思慮深く、かつ注意深く知識を収集するように、自分を奮い立たせてください。外に出て発見してください。そして、それを書き留めてください。

あとがき

まえがきを含めて、ジョン・ミューア・ロウズ『見て・考えて・描く自然探究ノートーネイチャー・ジャーナリング』 (築地書館、2022年)より。

通常、リストを引用する時には文を「だ・である」体に代えて修飾語も取り去って切り詰めますが、本書(の訳文)は穏やかで感じがよかったので、できるだけ原文を残して、少し長くなってしまいましたが、リスト化・引用しました。

自然を観察し、ノートに書き留める具体的な方法の数々。写真やイラストも豊富で、読んで楽しい本でした。

    参考文献

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    ジャーナリング 自然観察

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