アサイド

  • 商売のセンス

    まえがき

    『商売のセンスこそが、ビジネスの明暗を分ける。(略)マイケル・フィリップスとサリー・ラズベリーは商売のセンスを、次の4つの属性に分類している。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、ポール・ホーケン『ビジネスを育てる 新版 いつの時代も変わらない起業と経営の本質』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、2024年)より。リストは本文からの編集・引用です。

      まえがきにあるフィリップスとラズベリーの分類は、おそらく彼らの著書である参考文献[1]に載っていると思われます(未読)。

      ホーケンは、『ぼくはこれらにもう一つ、第五の力を加えたい。それは、数字で考える力だ。』と述べています。

      ずいぶん前に読んだ本が復刊したのを見つけて再読。和訳が出版されたのは2005年とのことなので、ちょうど20年前でした。当時は独立間もない時期でもあり、特に響くものがありました。いま読んでもやはりいい本。

      「力」が並んでおり、センスというよりはややスキルっぽいですね。それもそのはず、原著では “tradeskill” という言葉が使われているそうです。“商売スキル”というと対人力が筆頭に挙がってきそうに思いますが、ホーケンの加えた第5のセンスを含めて、人間関係のセンスが一つもないのが意外。

        参考文献

        [1] マイケル・フィリップス、サリー・ラズベリー『正直なビジネス: ビジネスをはじめ、成功に導くための優れた方法』 (スタートビジネス、1999年)

      • モチベーションの源になる恐怖

        まえがき

        『ペンシルベニア州立大学保健・人間発達学部のデヴィッド・コンロイ教授(略)によると、人にモチベーションをもたせる恐怖には主に5つのタイプがあるという。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、ブラッド・スタルバーグ、スティーブ・マグネス『パッション・パラドックス 情熱をマネジメントして最高の仕事と人生を手に入れる』 (左右社、2020年)より。コンロイ教授の2002年の論文[1]からの引用のとのこと。

        この5項目はAbstractにも載っていましたので引用します。

        1. experiencing shame and embarrassment
        2. devaluing one’s self-estimate
        3. having an uncertain future
        4. important others losing interest
        5. upsetting important others

        こうしてみると、やはり他人からどう見られるかが恐怖の源なんですね。著者はこうも述べています。

        コンロイの研究によれば、 これらの恐怖は差し当たり強力なモチベーションを生む場合もあるが、いずれも長続きしないことがわかった。

        まあ、それはわかりますね。

        「情熱」をテーマとするこの本では「悪しき情熱」、つまり短期的には成果につながるが長続きしない情熱を2つのパターンにまとめています。

        1. 報酬に突き動かされるパターン。外的な成果や評価に対する依存症状態に陥る。
        2. 恐怖に突き動かされるパターン。他人や自分自身を失望させたくないと思い、失敗を回避するために行動する。

        『両方のパターンに共通するのは、ある活動をすることそのものに感じる喜び以外の要因により、情熱が突き動かされていることだ。』とのこと。アメもムチも永続的な情熱をもたらすものではないということですね。

          参考文献

          [1] Conroy, David E., Jason P. Willow, and Jonathan N. Metzler. 2002. “Multidimensional Fear of Failure Measurement: The Performance Failure Appraisal Inventory.” Journal of Applied Sport Psychology 14 (2): 76–90. doi:10.1080/10413200252907752.

        • 希望の3要素

          まえがき

          『希望は以下の3つの要素が交わることで生まれる。(略)リーダーであれ組織であれ国家であれ、暗黒の日々を切り抜けさせてくれるのは希望なのだ。』

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、ロン・カルッチ『誠実な組織 信頼と推進力で満ちた場のつくり方』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、2023年)より。リストは本文からの引用です。

          特に引用元は記されていなかったので、著者の作品でしょうか。端的で力強い、好きなタイプのリストです。

          3要素のうち2要素に「困難」があるところに興味をひかれました。あたかも困難そのものが希望の構成要素のようです。実際、もし困難な状況でなければ、第2・第3項目は意味をなさなくなり、情熱イコール希望になるわけです。

          そう考えると、希望には困難が内包されているというか、希望は困難な状況でこそ生まれるものだという著者の信念が、このリストから見えるように思います。

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        • 組織における4つの誠実さ

          まえがき

          『4つの要素はどれも、企業やリーダーが真実、公正、目的のすべてを行動に取り入れるために必要なことを明確にしている。これらすべてが合わさってはじめて、本当の誠実さに必要なものがわかるのだ。』

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、ロン・カルッチ『誠実な組織 信頼と推進力で満ちた場のつくり方』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、2023年)より。

          まえがきの「要素」は、本文では「部」でした。というのも、著者はこれらの要素ひとつに対して1部を割り当てており、前書きで引用したのはその構成の説明部分だったので。リストは序論である「本書の構成」の見出しを編集して作成しました。

          そもそも「誠実である」 ――原著では be honest―― とはどういうことか。著者はこの3つの調和から生まれる力であると定義しています。

          • 目的: よりよい善を為す
          • 公正: 正しく公平な行いをする
          • 真実: 相手を尊重しつつ、妥協せず率直に真実を伝える

            ちなみに原題は “To Be Honest: Lead with the Power of Truth, Justice and Purpose”。誠実といっても integrity でなくhonesty、公正といっても fairness でなく justiceです。。

            リストは、その誠実さをどういった方面に発揮すべきかを表したもの、という感じでしょうか。骨太なメッセージが詰まった、読み応えのある本でした。

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          • クリティカル・シンキングの3つの特徴

            まえがき

            『コロンビア大学エドワード・グレイザー教授による1941年の研究では、クリティカル思考を(略)3つの特徴で定義している。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、ダン・ポンテフラクト『OPEN TO THINK: 最新研究が証明した 自分の小さな枠から抜け出す思考法』 (あさ出版、2020年)より。

            態度と知識とスキル。この3つは分かりやすくてよいですね。せっかくなら3のスキルも、端的にまとめてほしかったところです。

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          • Block Bindings API を試す

            概要

            Block Bindings APIを試してみた。レイアウトが決まっているページの情報だけを書き換えるなら使えそう。

            試すに至った背景

            そもそも Block Bindings API とは

            ブロックの内容や属性を動的に書き換えるAPI。

            Bindings – Japanese Team – WordPress.org 日本語

            試したかった理由

            当サイトではブロックの内容を書き換えたり、動的に表示させたりしている。現在はブロックの名前をキーにして、ブロックを描画するときに書き換えているが、より公式なやり方があればそれに準拠したい。

            試したこと

            準備

            段落ブロックで試してみた。まずはビジュアルエディターで段落を作った後コードエディターに切り替えてバインド情報を書き込む。

            <!-- wp:paragraph {"metadata":{"bindings":{"content":{"source":"listfreak/blockbinings-test","args":{"test_key":"test_value"}}}}} -->
            <p>(ブロックバインディング)</p>
            <!-- /wp:paragraph -->

            バインドする関数とバインドされる関数、つまり表示内容を実際に作る関数を定義する。以下のようなファイルを作って自作プラグインから呼び出してみた。

            <?php
            class LF_BlockBinings_Test {
            
            	/**
            	 * 初期設定をする
            	 */
            	public static function init() {
            
            		// ブロックと表示ロジックを結び付ける関数を呼び出す
            		add_action( 'init', [ __CLASS__, 'bind' ] );
            	}
            
            	/**
            	 * ブロックと表示ロジックを結び付ける
            	 */
            	public static function bind() {
            		register_block_bindings_source( 'listfreak/blockbinings-test', [
            			'label'              => __METHOD__,
            			'get_value_callback' => [ __CLASS__, 'get_value' ],
            		] );
            	}
            
            	/**
            	 * 表示する内容を作る
            	 */
            	public static function get_value( $source_args, $block_instance, $attribute_name ) {
            
            		$value = __METHOD__.' ('.__LINE__.') '.print_r( $source_args, true );
            		return $value;
            	}
            }
            LF_BlockBinings_Test::init();

            実施

            バインドが成功すると、ブロックには「(ブロックバインディング)」でなくregister_block_bindings_source()で指定したラベルである「LF_BlockBinings_Test::bind」が表示された。これによってバインドされていることが示される。

            エディタで定義するソース名 (listfreak/blockbinings-test) と、それを使ってバインドする関数の対応関係を管理するのが面倒そうなので、メソッド名をラベルに使うアイディアは悪くないと感じた。

            このブロックを含むページを表示させると、ブロック部分には下記が表示された。

            LF_BlockBinings_Test::get_value (28) Array ( [test_key] => test_value )

            試して学んだこと

            • 思ったより簡単。バインド情報をコードエディターで書き込むので内容を忘れるのではないかと不安だったが、ちゃんとビジュアルエディターでも識別できるようになっている。
            • 対象ブロックの値だけを書き換えるので、get_value()が空文字を出力しても<p></p>は出力される。マージンなどの書式設定を施していればそれも画面に表示される。出力する内容がなければ<p></p>ごと表示させないでおこうと思うと、レンダー時点で書き換える現行方式の方が柔軟。
            • 特定ページでしか発生しないBindingでも、バインド関数をinitフックに登録しなければならない。バインディングをいくつも登録していくにつれてメモリの容量も増えることになる。まあ大きなサイズではないだろうが……。
          • 偉業を可能にする8つのマインドセット

            まえがき

            『アポロ計画において、(略)管制室がなぜこれほどまでの成功を収めることができたのか、(略)インタビューとミッションのアーカイブ、そして学術的な研究を組み合わせることで分かったのは、 彼らの素晴らしい業績 は ユニークなマインドセット(考え方、物の見方、心の持ち方) に起因する ということでした。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、リチャード・ワイズマン『月に向かえ! Shoot for the Moon 最新心理学が明かす「アポロ計画」を成し遂げた人たちのマインドセット』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、2024年)より。リストは目次および本文中の表からの引用です。

            リストそのものは王道的な内容ですが、それを抽出した対象がドラマチックな事例なので、読んで面白く説得力があります。この著者はいつも目の付けどころがよいですね。

            著者はアポロ計画の成功を支えた管制官に着目しました。彼らの大多数は労働者階級の出身で、家族のなかで初めて大学に進学した人たちだったこと、そして月面着陸に成功した時点で平均年齢がわずか26歳だったことなど、序章から引き込まれるファクトが明かされます。

            • 難しい決断の前に答えるべき3つの問い

              まえがき

              『もし次回、あなたがやるべき難しい何かに悩んで怖じ気づいていたら、こう自問してほしい。(略)そして、あなたがこの問いへの答えを出すことができたら……それをただ実行すればいい。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、ケヴィン・ダットン、アンディ・マクナブ『サイコパスに学ぶ成功法則』 (竹書房、2016年)より。第十章「心のスイッチをオフにして動く――考えるのはそのあとでいい」の、章題と同じ題が付けられた項からの引用です。

              この問いが有用なのは、人には次のような傾向があるからでしょう。

              • 感情に重きを置きすぎる
              • 他人がどう思うかを気にしすぎる
              • 目の前の決断の対象を重大視しすぎる

              なので、リストの自問で偏りチェックをしてみるのは良いアイディアですね。

              • タイトルサイコパスに学ぶ成功法則
              • 著者: ケヴィン・ダットン(著)、アンディ・マクナブ(著)、木下 栄子(翻訳)
              • 出版社: 竹書房
              • 出版日: 2016-07-22

              この本からの他のリスト

            • 説得の5大要素(SPICE)

              まえがき

              『私は(略)説得の話を集めた。(略)二百くらいの話を集めた時点で、“因子分析”を行った。(略)この分析によって、徐々にその五大要素が明らかになった。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、ケヴィン・ダットン、アンディ・マクナブ『サイコパスに学ぶ成功法則』 (竹書房、2016年)より。リストの各項目後半に添えた解説は、本文をもとに作ったものです。著者の前著[1]からの引用とのこと。

              全体としては納得できますが、「意外性」はややつかみづらかった。著者は意外性を「笑い」と「注意をそらす」にわけています。

              ユーモアで相手にリラックスしてもらうことは、説得力を高めるうえでたしかに有用そうです。一方で注意をそらす行為の効果は何か。予想外の事態や今までにない状況を作り出すと、相手は混乱して「プチ催眠状態」にかかるので、無意識のうちに警戒心がゆるみ、情報をただ取り込んでしまう……という説明がされていました。

              • タイトルサイコパスに学ぶ成功法則
              • 著者: ケヴィン・ダットン(著)、アンディ・マクナブ(著)、木下 栄子(翻訳)
              • 出版社: 竹書房
              • 出版日: 2016-07-22

              この本からの他のリスト

              参考文献

              [1] ケヴィン・ダットン『瞬間説得 その気にさせる究極の方法』 (NHK出版、2011年)

              • 丁寧なコミュニケーションのための3要素(ポライトネス理論)

                まえがき

                『ブラウンとレビンソンは、言葉が相手を傷つける可能性を中心的なアイディアとして、コミュニケーションにおける丁寧さを説明するポライトネス理論を提案しました。(略)この3つの足し合わせによって、相手の顔をつぶす危険度、つまり丁寧さが決まると考えるのです。』

                リスト

                あとがき

                まえがきを含めて、時本 真吾『あいまいな会話はなぜ成立するのか (岩波科学ライブラリー)』 (岩波書店、2020年)より。

                行為xの危険度 = 距離+力+負荷度(x)。関係の疎遠な、目上の人に対する、深刻な行為は、危険。つまり丁寧なコミュニケーションを心がけるならば、相手との距離と力関係、そして行おうとする行為の負荷度を考慮に入れて行動すべき、ということでしょうか。

                この公式は参考文献[1]からの引用だそうです。著者らはこの公式が普遍的なものであると主張しているとのこと。

                  参考文献

                  [1] ペネロピ・ブラウン、スティーヴン・C・レヴィンソン『ポライトネス 言語使用における、ある普遍現象 Politeness:Some Universals in Language Usage』 (研究社、2011年)