まえがき
『調査交渉術(investigative negotiation)を身につけた交渉者は、犯罪現場での刑事と同じ姿勢で交渉に臨む。つまり、その状況と関係者についてできるだけ多くの情報を集めるのである。』
リスト
- 何を求めるかだけでなく、なぜ求めているかを問う(要求の背後にある理由を尋ねれば、価値創造のための情報が手に入るかもしれない)
- 要求ではなく利害の調整を目指す(双方の要求の背景にある利害を見い出せれば、幅広く、創造的に考えられるようになる)
- 考えにくい相手と共同戦線を張る(ライバルですら、背景にある利害を理解すれば価値創造の機会はある)
- 要求をチャンスと解釈する(要求は相手のニーズや利害の表れなので、価値創造の糸口になり得る)
- 何事も「相手の問題」として片付けない(相手の問題解決を支援することがよりよい成果につながる場合がある)
- 自分の提案が拒否されたところで交渉を終わらせない(「ノー」の理由を聞くことで、見落としに気づいたり、学習の材料が得られる)
- 「売る」と「交渉する」の違いを理解する(交渉には説得だけではなく、相手のニーズ・利害・優先事項・制約・考え方を理解することも重要だ)
あとがき
まえがきを含めて、ディーパック・マルホトラ他『交渉の達人』より。カッコ内の解説部分は本文からの要約です。要約しながら、いくつかのメッセージを手を替え品を替え述べていることに気づきました。これらの7原則を自分なりにさらに凝縮すると、こんな感じです。
- 相手の要求の背後にある利害を理解する
- 勝ち負けでなく、価値の創造をめざす
- 常に最善をめざして粘り強く行動する
- タイトル: 交渉の達人
- 著者: ディーパック・マルホトラ(著)、マックス・H・ベイザーマン(著)、森下 哲朗(翻訳)、高遠 裕子(翻訳)
- 出版社: 日本経済新聞出版
- 出版日: 2010-05-21