【願望】望みはリストアップしてみよう

望みはとにかくリストアップしてみましょう。【列挙】【分析】のスキルで徹底的に、【修辞】のスキルで鮮やかに。

望みをリストアップする効用

夢を紙に記すのに、たくさん書く必要はありません。
 簡潔な箇条書きであっても、できるだけ具体的に書くなら、詳しく書いたのと同じくらいたしかにあなたの意志を示すことになります。もしかしたら、その方が力強いという場合もあるかもしれません。

―― ヘンリエッタ・アン・クロウザー、『夢は、紙に書くと現実になる!』、p103

望みは目に見える形で表現する(可視化する)ことが重要と、よく言われます。望みを可視化すると、そのイメージが具体的になります。具体的になれば、頭のなかで扱いやすくなります。

日本におけるコーチングの第一人者である伊藤 守さんは、『コーチングマネジメント』で、この現象を生体細胞の「オートクライン」という現象になぞらえています。オートクラインとは『分泌された物質が、分泌した細胞自身に作用する』(Wikipediaより)こと。つまり自分のアウトプットがインプットにもなるということですね。

「オートクライン」はコーチングにおいてもっとも注目すべき効果であると思います。人間は内側にある情報を一度外に出さないと認識できません。気がついている、気がついていないにかかわらず、内側にある考えや意図を言葉にすることで、ずいぶん頭が整理されると思います。

(「あとがき」より)

そのようにして望みを可視化して意識すると、それに関連する情報に気がつきやすくなります。このメカニズムは科学的に明らかとはいえないものの、「気になりだしたことが目に飛び込んでくる」経験は誰でも持っているでしょう。

プランナーの加藤 昌治さんは、『考具』の中で「カラーバス」というエクササイズを紹介しています。ある色を心に決めて街中を歩いてみるだけで、その色(あるいはそれに関連した情報)が目に飛び込んでくる効果を体感できます。

可視化の方法については、様々なものが提案されています。文章を書く、絵を描く、写真を切り貼りする、などなど。本書はリストの本ですので、望みをリストアップするメリットを「リスト」してみます。

望みをリストアップするメリット

望みをリストアップする例

上で引用した本からリストアップの例を紹介します。自分の理想の家を考え、表現するシーンです。

シドニーは黄色いレポート用紙を取り出して、絶対に不可欠なもの、どうしても持つ必要のあるもの、それがない暮らしなど考えたくないと思うものを書き出しました。

 1. 寝室は二部屋。一部屋は娘の、もう一部屋は私のもの。
 2. バスルームも二カ所。娘と鉢合わせしなくてすむように。
 3. 自動開閉器のついたガレージ。
 4. 海が見えること。

シドニーは考え続けました。(略)自分の人生が今どんなに混沌とした状態にあるか思い浮かべました。そして、リストに次のように書き加えました。

 5. 静かな場所、何も置かない完璧な美を備えた場所を、どこかに設けること。

 (同上、p108)