- [WHAT]問題は何か? ― 現状の結果と望んでいる結果との違いを図に描く
- [WHERE]問題はどこにあるのか? ― 結果を引き起こしている、現状を構成する要素を図に描く
- [WHY]問題はなぜ存在するのか? ― それぞれの要素を分析し、なぜそれが問題を引き起こすのかを明らかにする
- [HOW1]問題に対し何ができるか? ― 望んでいる結果をもたらす変更案を論理的に系統だてて書いてみる
- [HOW2]問題に対し何をすべきか? ― 最も満足のいく結果をもたらすよう変更案を統合して新しい構造を作り上げる
解説
問題を解決するために効果の高い打ち手を選ぶ論理的な手順を示しています。ビジネス書で学べる問題解決の方法論の多くは、このプロセスの変形といってよいでしょう。このリストの通りでなくとも、同じような問題解決のプロセスを学んだ、あるいは身体で覚えたという方は多いのではないでしょうか。
白紙を5列に割って、いま取り組んでいる問題やその分析・解決案をこの5ステップにマップしてみましょう。論理が飛躍しているところや根拠づけが弱いところが見えやすくなり、問題解決のスピードや精度を高められます。
先日研修の相談に来られた方は、5枚の紙を携えていらっしゃいました。*ListFreakに載っていたこのリストを見て、自分の組織の抱えている問題をこのプロセスに沿って事前に分析してきてくださったのです。おかげですぐに議論に入ることができました。
慣れてくれば、このプロセスを頭に入れておいて、自分や相手の発言をそれにあてはめることもできます。顧客企業のある部署で、このリストを共有したことがありました。共有といっても、たった1時間半の勉強会で説明しただけです。しかし「問題解決には順序がある」という発想は、人によっては大きな「発見」でした。例えば打ち合わせをしながら「あ、それはHOWの話ですよね。その前に…」と、お互いの思考プロセスをチェックできるようになったのです。
引用元
バーバラ・ミント著/山崎 康司訳『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』 ダイヤモンド社 1999年