まえがき
米国で採用されている、専門家の証言の証拠能力を評価する基準。
リスト
- その専門家の有する科学的・技術的・その他の専門知識は、陪審が証拠を理解したり争点となる事実を決定したりする助けとなる
- その証言は、十分な事実やデータに基づいている
- その証言は、信頼できる原則と方法によってもたらされている
- その専門家は、その原則と方法を訴訟の事実に確実に適用している
あとがき
“Daubert standard” (Wikipedia)から、アメリカの連邦証拠規則702条(2011年版)を翻訳しました。
最初、ジェームズ・R・フリン 『なぜ人類のIQは上がり続けているのか? --人種、性別、老化と知能指数』(太田出版、2015年)で次のようなリストを見かけました。
a. 理論や方法は検証が可能か
b. 理論や技術は同業者から評価されているか、また論文として発表されているか
c. 結果を評価するために手法の誤差率が明確にされているか
d. 方法を用いる上で標準的な手法があきらかにされているか
ただ、これは1993年に示された基準。著者はこう述べています。
『1993年、ドーバート判決で示された新たな基準(ドーバート基準)は、専門家の証言に信頼性があるか否か--科学的証拠に価値があるか否か--を判断するうえで重要である。』
日本語で検索できる範囲内では「筆跡鑑定」(Wikipedia日本語版)にも似たようなリストがあります。
この基準は何度も改定されているようなので、分かる範囲での最新版を収録しました。2011年度版のほうがうまく抽象化されていますね。
- タイトル: なぜ人類のIQは上がり続けているのか? –人種、性別、老化と知能指数
- 著者: ジェームズ・R・フリン(著)、水田賢政(翻訳)
- 出版社: 太田出版
- 出版日: 2015-05-28