まえがき
『人道支援は、中立的な立場を保ちながら、最も脆弱な人々に対してできる限り公平に支援を提供することを原則とし、「人道」「公平」「中立」「独立」の4つを柱とする。』
リスト
- 人道: 人々の苦しみは、どのような状況にあっても対処されなければならない。個々の人間の生命や健康を保護し、人としての尊厳を確保する。
- 公平: 国籍や人種、ジェンダー、宗教や政治的信条などによる差別なく、助けを必要とする人のニーズに応じて、最も必要とする人々を優先する。
- 中立: どのような争いでも、政治的、人種的、宗教的、思想的な対立の一方に与しない立場をとる。
- 独立: 人々の支援の必要性について自主的に判断し、政治·経済·軍事·宗教などの権力や影響力から独立している。
あとがき
まえがきを含めて、内海 成治(編集)『〔新版〕国際協力論を学ぶ人のために』 (世界思想社、2016年)より。リストは本文を要約・引用して作成しています。本書では『人道支援の必須基準』という文書からの引用だとしていました。参考文献のリンクが切れていたのでこちらで探したリンクを添えておきます[1]。
どこかで「援助の原則は公平・中立・独立」という言葉を耳にして、税の三原則(公平・中立・簡素)を思い出しました。税は取る側で援助は与える側と立場は真逆ながら、原則には共通点が多いのですね。興味を引かれて書籍を漁っていたところ、このリストに行き当たりました。
人道支援の原則には人道原則というものが加わっています。加わっているというか、冒頭に置かれています。経済的・思想的に独立していなければ中立を保つのは難しく、中立な立場でなければ公平な支援は難しいと考えると、第2項目以降には割と明確な因果関係がありそうです。すると「人道」と「公平」が核なのかな。
参考文献
[1] 人道支援の質と説明責任に関する必須基準(CHS) | JQAN 支援の質とアカウンタビリティ向上ネットワーク