まえがき
『脳についての研究が進むにつれ、脳を単なるフィルターや演算装置として捉えるのでは不十分であることが明らかとなってきています。』
リスト
- 第一のフィルター(感覚フィルター):内受容感覚(=ボトムアップ入力)が知覚に至るまでの過程
- 第二のフィルター:経験や記憶に基づいて生成される予測によって形成される脳内モデル(=トップダウン入力)を参照して出力する過程
- 第三のフィルター:出力をどのように発露するかを決める過程。結果として生じた変化はボトムアップ入力を通じて脳にフィードバックされ、脳内モデルが書き換わる
あとがき
まえがきを含めて、毛内 拡『「頭がいい」とはどういうことか ――脳科学から考える』 (筑摩書房、2024年)より。本文を編集してリストを作成しました。
脳内モデルという概念は『デカルトの誤り』(1994)における “as-if body loop” を思い出させます。あの仮説が脳内モデルとして定説になったのでしょうか。
第一のフィルターのみ感覚フィルターと命名されています。せっかくならわかりやすい名前をつけてほしかったところです。
- タイトル: 「頭がいい」とはどういうことか ――脳科学から考える
- 著者: 毛内 拡(著)
- 出版社: 筑摩書房
- 出版日: 2024-04-10
- タイトル: デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳
- 著者: アントニオ・R・ダマシオ(著)、田中 三彦(翻訳)
- 出版社: 筑摩書房
- 出版日: 2010-07-07