「怠惰のウソ」の3原則


まえがき

『「怠惰のウソ」とは、「あくせく働くことは、のんびりするより道徳的に優れている」「生産性の高い人は生産性が低い人より価値がある」という考え方のことだ。表立っては語られないが、この価値観は世の中の常識になっている。(略)「怠惰のウソ」には、次の3原則がある。』

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あとがき

まえがきを含めて、デヴォン・プライス『「怠惰」なんて存在しない 終わりなき生産性競争から抜け出すための幸福論』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、2024年)より。

字面を見ると2と3が重複しているように感じられます。解説から意を汲んで枠組み感が出るように仕立て直してみました。

  1. 偽りの前提:「人の価値は生産性(だけ)で測られる」のだから怠惰は悪だ
  2. 偽りの恐怖:1の前提に立てば、限界を認めて立ち止まると人としての価値が低下してしまうので「自分の限界を疑え」
  3. 偽りの目標:1の前提に立てば、生産性は高ければ高いほどよいので常に「もっとできることはあるはずだ」と考えよ

『「怠惰」なんて存在しない』というタイトルの意味合いが端的に表現されている文章を、「はじめに」から引用します。

私たちは怠惰であることを恐れるよう教えられてきたけれど、そんな「怠惰」はそもそも存在しない。 道徳的に退廃した怠け心が内在するわけでもないし、その邪悪な力のせいで人が理由もなしに非生産的になるわけでもない。限界を訴えたり休みを求めたりするのは、何も悪くない。意欲の低下や疲労感は自尊心を削る脅威ではない。むしろ、「怠惰」だと揉み消されるような感情こそが、人間としてとても重要な感覚であり、長期的に見れば、私たちが豊かに生きるために必須なのだ。

(太字は原文のまま)

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