- 【自分で考える】無知の状態から考え始める。知識や経験は、しばしば暗黙の前提となって思考の偏りや飛躍の種を撒く。知識や経験によりかからず、考えることによって結論を出そうとする。
- 【真っ直ぐに考える】目的から真っ直ぐに考え下ろす。なぜ理想が貫けないのかを懐疑的に考える。
- 【論理的に考える】自らのうちに「反対派」を育て、常に自分の見解と戦わせる。抜けはないか、客観的に見て妥当かを考える。
- 【自尊心を保つ】権威に頼らない。自分の偏りや誤りを認める用意がある。
- 【情熱を燃やす】強い目的意識こそが、考え続ける力の源泉である。
解説
クリティカル・シンキングは、「与えられた情報や知識を鵜呑みにせず、複数の視点から注意深く、論理的に分析する能力や態度」(『クリティカル・シンキングと教育』)。後述する「ライフスキル」の一つにも挙げられています。
このリストは、わたしのチェックリストであり、目標でもあります。第一から第三までは分かりやすいと思います。第四と第五は、それら三つの底に横わたる、より根本的な態度です。この二つについて解説を加えます。
4「自尊心を保つ」態度。権威に頼らず自分で考えるために、自分の考えに(権威以上の)価値を認めましょう。同時に、自分の考えの偏りや誤りをオープンに認めましょう。高すぎる自尊心は頑なさにつながってしまいますが、自分の考えの誤りを認めたからといって自分が全て否定されたわけではないと考えられるのは、適切な自尊心があってこそです。
5「情熱を燃やす」態度。客観的に考え続けるということは非常に大きな努力を必要とします。そこまでして考え抜くべきという主観的な目的意識が無ければ、とても考え抜けるものではありません。