- 【いきなり探し出さない】。どこを探したらよいか考える。
- それは【消滅したわけではない】。見えていないだけなのだ ― そう考えるだけで、見つけやすくなる。
- 【3C】のマインドを忘れずに。すなわち、くつろいで(Comfort)、静かに(Calmness)、必ず見つかるという自信を持って(Confidence)。それから探し始めよう。
- それが【あるべき場所】に、実はちゃーんとあるのでは?
- それを【最後に使った場所】には?
- そこに見えているのに、【目に入らないだけ】では?
- 何かの下に【隠れている】のでは?
- よーく【記憶を遡って】みよう。
- 四角い床を丸く掃いてはいけない。【しらみつぶし】に!
- 何かのはずみで動いてしまったのでは?【怪しい場所から半径45センチ】を探せ!
- 【探偵モード】で、自分の足跡をたどってみよう!
- これだけやっても見つからない?もしかして、【自分のせいではない】可能性はないだろうか?誰かがうっかり持っていったとか?
- (おまけ)どうしても見つからない……?ま、しょうがない。【なるようになるさ】!
解説
非常時こそチェックリストの出番。緊急時の行動をルーチン化しておくことの価値について、元宮城県知事 浅野史郎氏が新聞に寄稿していました。
2003年7月の大地震の際、ブラジルに出張中だった知事は副知事と相談の上でイベントへの出席を優先。結果的に対応が遅れてしまいました。
ファストフード店員の顧客対応でも指摘されるように、マニュアルには行動様式を定型化して思考を停止させる弊害がある。だが、緊急時に判断の余地をなくすという意味でマニュアルは使いようだと思う。
地震の件では、知事である私も副知事も判断をしてしまった。副知事にすれば「すぐに戻ってください」と言うと頼りないと思われかねず、言い出しにくい。責任感の強い副知事であればこそそうだろう。知事にしても戻れない理由をあれこれ探すことになる。
(2007/08/27, 日本経済新聞 朝刊)
なくしたものを探しているときは、往々にしてパニックに陥っているもの。このリストにユーモアが掃き込まれているのは、そういう読者を落ち着かせようという実用的な目的があってのことでしょうね。
引用元
Solomon, “How to Find Lost Objects“, Penguin, 1995(日本語訳は著者による)