まえがき
『存在するルールが、場合によってはいかに退屈で浅はかになるかを示そうと、グラフィック・デザイナーのポール・フェルトンは文章を書き、細工に凝った美しい本に仕上げた。(略)この本にフェルトンが記した、神の与え給う戒律がこれだ。』
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- 汝、ひとつの文書に4書体以上使うことなかれ。
- 汝、ページの最上部に大きく見出しをつけよ。
- 汝、本文には8ポイントから10ポイント以外の文字サイズを用いることなかれ。
- 読みづらい書体は真の書体ではないことを肝に銘じよ。
- 文字と文字の間の余白が見た目に等しくなるように、カーニングを尊重せよ。
- 汝、文中の強調箇所は控えめに目立たせよ。
- 汝、長文を大文字のみで組むことなかれ。
- 汝、常にペースラインに文字と単語を揃えよ。
- 汝、左を揃え、右をラグ組み(不揃い)にせよ。
- 汝、行長は長すぎず短すぎず定めよ。
あとがき
まえがきを含めて、サイモン・ガーフィールド 『私の好きなタイプ 話したくなるフォントの話』(ビー・エヌ・エヌ新社、2020年)より。まえがきの「美しい本」とは “The Ten Commandments of Typography/Type Heresy”。どんな本かというと:
この本を普通に手に取ると「The Ten Commandments of Typography』(タイポグラフィの十戒)という題が書いてある。しかし、上下を逆さにして裏返すと、そこには「Type Heresy」(書体異端論)という題が現れる。
ということで、この十戒は壊すために建てた家のようなもの。
- タイトル: 私の好きなタイプ 話したくなるフォントの話
- 著者: サイモン・ガーフィールド(著)、田代眞理(翻訳)、山崎秀貴(翻訳)
- 出版社: ビー・エヌ・エヌ新社
- 出版日: 2020-10-20
- タイトル: The Ten Commandments of Typography/Type Heresy: Breaking the Ten Commandments of Typography by Paul Felton(2006-10-01)
- 著者: Paul Felton(著)
- 出版社: Merrell Publishers
- 出版日: 2021-07-05