まえがき
『オンラインコミュニケーションの欠点として、共通してあげられているのが「雑談がしにくい」という点でした。(略)雑談の特徴と関連付けると、五つの理由が考えられます。』
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- ミーティング前後のフェーズがない: ミーティング前の待ち時間に他の参加者に話しかけることは少ないし、ミーティングが終わるとアクセスもそこで閉じられてしまう。
- 発話のオーバーラップが起きない: 話が盛り上がった時には次々と発話が重なるものだが、オンラインでは一人しか発言できない。日本語会話の特徴として、参加者で会話を紡いでいく「共話」があるが、対面コミュニケーションでのような共話は、オンラインコミュニケーションでは容易に起こりえない。
- 視線の授受ができない: 誰が次の発言権を取るかは、視線をその人のほうに向けるといった行動で示す場合が多いが、オンラインではこれができないため、雑談のようなテンポある会話の展開につながらない。
- 視覚情報が限られ、聞き手行動が機能しづらい: 平面の小さな四角の中に上半身のみが映し出されるだけで、小さな相槌や、頷きといった聞き手行動は看過される場合が多い。
- 小さな会話の場を作り出すことができない: ミーティング中にちょっと隣の人と話すことができない。常に会話は一つの場(ミーティングの本題を話す「公式」の場) でしか成しえない。
あとがき
まえがきを含めて、村田 和代『優しいコミュニケーション : 「思いやり」の言語学』 (岩波書店、2023年)より。
総じて「そうですよね」という内容なのですが、5つめの、オンライン会議は常に一つの場しかないという表現が新鮮でした。オンライン会議の疲れやすさはこのあたりに起因するところも大きそう。
