リストは、「集めて、束ねて、固めて」作る
ではリスト化のステップを見ていきましょう。大まかにはこの三つです。
リスト化の3ステップ
- 集める:テーマを決め、リスト化したい項目をできるだけ多く挙げる
- 束ねる:リスト項目を絞りこみ、文章を要約していく
- 固める:さらに言葉を凝縮し、リストとして完成させる
図を見ていただければ、意味するところは明らかだと思います。集めて、束ねて、固める。山の中から枝を拾い集めて、束ねて、ぎゅっと圧縮して、数本のたいまつを作る。そんな様子をイメージしてください。
頭の中から知恵を拾い集めて、束ねて、ぎゅっと圧縮して、リストを作る。暗く広大な脳内にうずもれている知恵や経験を、あるいは見えない行く手を、照らし出すたいまつを作る。それが「リスト化」という作業なのです。
リスト化の8ステップ
本書では、リスト化の3ステップのそれぞれを2つのステップに分け、さらに最初と最後にも作業を加え、8つのステップとして説明します。
リスト化の8ステップ
- (定義)
- 【定義】テーマを掘り下げ、自分の思いを見い出す
- 集める
- 【列挙】リスト項目を思いつくかぎり挙げてみる
- 【分析】リスト項目を論理的に洗い出す
- 束ねる
- 【構成】リストの流れを決める
- 【要約】材料を束ね、リスト項目をまとめ上げる
- 固める
- 【凝縮】文の「密度」を高める
- 【修辞】読みやすさ・思い出しやすさに配慮する
- (再定義)
- 【再定義】テーマを貫く「思想」を見い出す
「たかがリスト作りに、ここまで手を掛けられるか!」と思う方もあるかもしれません。
実際、8つのステップすべてを忠実に踏む必要はありません。だいたいの場合は、本章を読んだ上で「集めて、束ねて、固める」というステップを意識していただければ、十分に良いリストが作れます。
あえて詳細に定義したのは、このリスト化の8ステップはとても応用範囲が広いからです。リスト化のステップは、単に箇条書きを作るステップではありません。何かのアイデア、主張、夢、そういったモヤモヤしたものを構造化してはっきりと目に見せてくれるステップでもあるのです。第4章では、そのようなリスト化の力を活用する様々なサンプルを挙げています。