まえがき
十二支はもともと十二ヶ月を表す文字で『植物の成長と結実に深い関係を保っている』という説。
リスト
- 【子(し)】種子……自分の生命に適合した季節を待つ
- 【丑(ちゅう)】萌芽……土中で殻を破り生命が始動する
- 【寅(いん)】屈伸……根と茎とが上下に向かって伸びる
- 【卯(ぼう)】上伸……双葉が土の上に顔を出す
- 【辰(しん)】繁茂……枝や葉を伸ばす
- 【巳(し)】開花……生命力が極限に達して花を咲かせる
- 【午(ご)】受胎……交媒して結実の準備をする
- 【未(び)】衰退……花を散らし、葉や枝の伸びを止め、結実に全力をそそぐ
- 【申(しん)】落葉……結実した生命の種は成熟していき、葉はしだいに働きを弱め、落ちていく
- 【酉(ゆう)】死滅……種はしっかりと固い外皮のなかで、成熟の極に達する
- 【戌(じゅつ)】平蔵……幹や枝は活動を休止する
- 【亥(がい)】休絶……すべての生命力は滅び、種だけが静かに翌る年の活動の季節を待つ
あとがき
『座右の銘―意義ある人生のために』のコラム(p26)より。まえがきに「説」と書いたのは、この本には出典が示されておらず、また十二支の由来を検索してみるとさまざまな説が存在して、ひとつに特定できなかったから。
この本によれば、われわれになじみのある「鼠」「牛」「虎」……は「子」「丑」「寅」……という月の表記を「文盲の庶民に教えるために、わかりやすく動物にあてはめ」たとのこと。そして本リストを掲げたうえで『この十二の行程を十二支にあてはめてみるとよい。それぞれぴたりと一致する』と続けます。
根拠としては、たとえば『二月の「丑」は、草々の若芽が地中から出てくる姿の変形である』ことを挙げています。二月といってももちろん旧暦の二月なのでしょうね。