まえがき
『医師と患者(被験者)がふだんの診察のように会話するようすを録音し、(略)「自然言語処理」の技術を使い、(略)話し方の特徴を数値化(特徴量を抽出)します。』
リスト
- うつ病: ゆううつな気分がつづき、さまざまな意欲が低下します。思考が遅くなり、話がなかなかゴールにたどり着きません。
- 双極性障害(躁うつ病): 気分が高揚した「躁状態」と低下した「うつ状態」が交互にあらわれます。躁状態のときは、次々と新しい考えが出てきて、思考が飛躍しがちです。
- 統合失調症: 思考や感情などを一つにまとめる(統合する)能力が低下。関連のないことが頭に浮かび、話が支離滅裂になることがあります。
- 認知症: アルツハイマー病などの認知症では、神経細胞に障害が生じ、記憶力や判断力が低下。単語が思いだしにくくなり、要領を得ず、回りくどい話し方になる傾向があります。
- 不安症: 過剰な不安に頻繁におそわれ、日常生活に支障をきたします。不安に感じている内容をくりかえし話題にしがちです。
あとがき
まえがきを含めて『14歳からのニュートン超絵解本 絵と図でよくわかる』 (ニュートンプレス、2022年)より。AIの応用の一例として、医師と精神疾患の患者の会話を学習させて診断の助けにしようというページからの引用です。リストには引用していませんが話し方の例が載っていて、その引用元は参考文献[1][2]とのことでした。
職人技をAIに学習させる試みはいろいろあります。精神疾患の診断が主に医師と患者との会話を根拠に下されるものであるならば、診断の補助は自然言語処理技術の強みが生かしやすい分野かもしれません。
まえがきで省略した部分を補うと、自然言語処理で分析する話し方の特徴とは、『話すスピードや、使われた単語の種類や回数、指示語(あの、その、あれ……)の頻度、単語の反復、かかり受けの距離、文章の構造の複雑さなど』だそうです。
- タイトル: 14歳からのニュートン超絵解本 絵と図でよくわかる
- 著者: ニュートンプレス(その他)
- 出版社: ニュートンプレス
- 出版日: 2022-12-16
参考文献
[1] 西丸 四方、西丸 甫夫『精神医学入門』 (南山堂、2006年)
- タイトル: 精神医学入門
- 著者: 西丸 四方(著)、西丸 甫夫(著)
- 出版社: 南山堂
- 出版日: 2006-05-08
[2] 大熊 輝雄『現代臨床精神医学』 (金原出版、2013年)
- タイトル: 現代臨床精神医学
- 著者: 大熊 輝雄(著)、「現代臨床精神医学」第12版改訂委員会(編さん)
- 出版社: 金原出版
- 出版日: 2013-03-19