まえがき
『わたしが考えるAIの苦手分野は3つあり、2041年の時点でもこれらの欠点を補えていないはずだ。』
リスト
- 創造性: AI は創造、概念化、戦略策定ができない。目標を絞って最適化するのは得意だが、みずから目標を選んだり、創造的に考えることはできない。
- 共感: 共感や同情を感じられない。その感覚をふまえてやりとりすることができない。そのため相手に、理解されている、大切にされていると感じさせることもできない。
- 器用さ: 手先の器用さや目と手の正確な連携が求められる複雑な身体作業は、AIとロボット技術では達成できない。
あとがき
前書きを含めて、カイフー・リー(李 開復)、チェン・チウファン(陳 楸帆)『AI 2041 人工知能が変える20年後の未来』 (文藝春秋、2022年)より。リストは本文からの部分的な引用です。
ざっくり言って頭(創造性)・心(共感)・体(器用さ)。著者はこの3分野をふまえ、AIに代替される、AIがパートナーになる、AIでは代替しづらい職業を予測しています。
AIが代替しづらいのは、認知系職業(いわゆるホワイトカラー)では、創造性(創造的作業-単純作業)と社会性(社会的-非社会的)を軸としたマトリクスにおける「創造的×社会的」な仕事。身体系職業では、器用さ(器用-機械的)と社会性(社会的-非社会的)を軸としたマトリクスにおける「器用×社会的」な仕事。
リストとは関係ないのですが、本書の表紙にある著者名のカタカナ表記、一人めは名・姓で二人めは姓・名と逆になっています。誰かのこだわりなんだろうか。
- タイトル: AI 2041 人工知能が変える20年後の未来
- 著者: カイフー・リー(李 開復)(著)、チェン・チウファン(陳 楸帆)(著)、中原 尚哉(翻訳)
- 出版社: 文藝春秋
- 出版日: 2022-12-08