まえがき
『こうした演技の種類によって、私たちの感情疲労の度合いは変わる。』
リスト
- 表層演技: 内面では全く感じていない感情を表すこと。感情的疲労が高い。
- 深層演技: 表現しようとする感情を自分の内面ではもともと自然に感じていないが、それを内面の感情であるかのように感じようとする動力。「善意をもって似せること」とも。表層演技よりは感情疲労がやや減る。
- 誠実演技: 内面の感情と表示する感情が完全に一致すること。演技というより本心そのものであるから。感情疲労が一番軽い。
あとがき
まえがきを含めて、パントー・フランチェスコ『日本のコミュニケーションを診る~遠慮・建前・気疲れ社会』 (光文社、2023年)より。リストは本文を編集・引用して作成しました。
本当に感じていない感情を表出するときに生じる違和感を「エモーショナルディソナンス」(emotional dissonance: 感情的不協和)という。感情労働はこのディソナンスをもたらすものであり、それにより感情的疲労をきたす。
社会の中で生きることは、ある種の感情労働である。この見立てが新鮮でした。
- タイトル: 日本のコミュニケーションを診る~遠慮・建前・気疲れ社会
- 著者: パントー・フランチェスコ(著)
- 出版社: 光文社
- 出版日: 2023-09-13