まえがき
『わが国では、独立社外取締役の(究極の) 使命についても、十分に理解されていないように思われる。』
リスト
- 社外取締役の最も重要な役割は、経営の監督である。その中核は、経営を担う経営陣(特に社長・CEO)に対する評価と、それに基づく指名・再任や報酬の決定を行うことであり、必要な場合には、社長・CEO の交代を主導することも含まれる。
- 社外取締役は、社内のしがらみにとらわれない立場で、中長期的で幅広い多様な視点から、市場や産業構造の変化を踏まえた会社の将来を見据え、会社の持続的成長に向けた経営戦略2を考えることを心掛けるべきである。
- 社外取締役は、業務執行から独立した立場から、経営陣(特に社長・CEO)に対して遠慮せずに発言・行動することを心掛けるべきである。
- 社外取締役は、社長・CEO を含む経営陣と、適度な緊張感・距離感を保ちつつ、コミュニケーションを図り、信頼関係を築くことを心掛けるべきである。
- 会社と経営陣・支配株主等との利益相反を監督することは、社外取締役の重要な責務である。
あとがき
まえがきは、太田 洋『コーポレートガバナンス入門』 (岩波書店、2025年)より。リストは参考文献[1]からの引用です。
おそらくWordで書かれたこのPDF文書[1]の目次を見ると、リストの5項目がそのまま節レベルの見出しになっています。ここまで長い見出しもなかなかありませんが、でもインパクトがあって分かりやすい。内容面からは離れますが特筆事項としてメモしておきます。
まえがきにある、独立社外取締役の(究極の) 使命とは何か。著者の思いが表れている部分を、少し長いですが引用します。
モニタリング・モデルの下では、取締役会(その中でも特に独立社外取締役) は、「本人」たる株主の「代理人」として、経営陣への「規律づけ」の機能を果たすことが期待されているが、その大前提として、自己の法的責任やレピュテーション、そして自らの地位は二の次にして、会社の中長期的利益ないし株主共同の利益を最優先に行動することが求められている。万一その「覚悟」がないのであれば、独立社外取締役の重責を引き受ける資格はないといわざるを得ない。
(傍点を太字として引用)
著者 : 太田 洋
出版社 : 岩波書店
出版日 : 2025/5/22

参考文献
[1] 「社外取締役の在り方に関する実務指針(社外取締役ガイドライン)」(PDF)(経済産業省、2020年7月)。「コーポレートガバナンスに関する各種ガイドラインについて」(経済産業省)からリンクされています。