まえがき
『成功をつかむには、心臓破りのしんどいレースに勝つだけでは足りない。調査の結果、色褪せることなく長続きする成功には四つの必須要素があることがわかってきた。』
リスト
- 幸福感 (Happiness): 人生から喜びと満足感を得ること
- 達成感 (Achievement): 何らかの業績で他に抜きん出ること
- 存在意義 (Significance): 身近な人にとって意味のある存在であること
- 育成 (Legacy): 自分の価値観や業績によって、だれかの未来の成功を助けること
あとがき
まえがきを含めて、ローラ・ナッシュ他 『カレイドスコープ思考で見つめ直す 「色褪せない成功」 を求めて』[3]より。リストは本文からの引用です。英語部分は本文の他の箇所から引いてきました。
エリック・バーカー『残酷すぎる成功法則』[1]でこのリストを見かけました。引用元としてHBRの論文[2]が挙げられており、その和訳[3]にアクセスできたので、そちらから引用しています。
論文では、4要素のそれぞれについて「自分」「家族」「仕事」「地域社会」の4つの欄を設け、ふだんの活動を埋めることを推奨しています。この4×4の図を埋めつつ考えるのが、著者らが言う「カレイドスコープ(万華鏡)思考」。
4×4もの欄があると埋めるのが大変ではないだろうか。著者らは全ての要素を同時に埋めるためではなく、人生の多様な側面に気づくために万華鏡の作成を勧めています。万華鏡を回す、というのは優れた比喩ですね。
その万華鏡を、いつ回せばよいのか。 著者らは『「足るを知る」ことが解毒剤』という項で論文を締めくくっています。ある要素について「これで十分」と思えたら万華鏡を回すタイミングであり、それは万華鏡を作って全体像を把握できればわかるはず、とのことでした。
参考文献
[1] エリック・バーカー『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』 (飛鳥新社、2017年)
タイトル: 残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する
著者: エリック・バーカー(著)、橘玲(監修)、竹中てる実(翻訳)、橘玲(翻訳)
出版社: 飛鳥新社
出版日: 2017-10-25
[2] Nash, Laura, and Howard Stevenson. “Success that lasts.” Harvard Business Review 82.2 (2004): 102-109.
[3] ローラ・ナッシュ(著)、ハワード・スティーブンソン(著)、西 尚久(翻訳). “カレイドスコープ思考で見つめ直す 「色褪せない成功」 を求めて (Feature Articles ハイ・パフォーマンス人材の行動学).” Diamond ハーバード・ビジネス・レビュー 29.7 (2004): 58-69.