まえがき
『幸福という(略)言葉の用法は、その深みの度合いによって3段階の意味に分類できます。』
リスト
- 【レベル1:一時的な気持ち】 喜び・楽しさ。直接的・感覚的にはっきりわかるし客観的にも測定可能。
- 【レベル2:気持ちのバランスの判断】 充足感・生活の満足度。ポジティブ感情とネガティブ感情のバランスを吟味して、長い目で見て好ましい状態にあると感じる。
- 【レベル3:善良なる生活】 美徳(の体現)・潜在能力の開花。アリストテレスのいう「エウダイモニア」。感情の状態ではなく人それぞれの認識であり、定義や測定が困難。
あとがき
まえがきを含めて、ダニエル・ネトル 『幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか』(きずな出版、2020年)より。リストは図表と本文を引用しつつ、こちらの解釈をすこし入れてまとめました。
低次のレベルの幸福が満たされることが高次のレベルの幸福に至る条件ではありません。レベル1と2の観点からは幸福とは程遠かったけれどレベル3の観点からは非常に幸福だった哲学者(ウィトゲンシュタイン)の例が挙げられています。
片方の極に感覚的な幸福があり、もう片方の極に認識的な幸福があるという図式がわかりやすい。
- タイトル: 幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか
- 著者: ダニエル ネトル(著)、金森 重樹(監修)、山岡 万里子(翻訳)
- 出版社: きずな出版
- 出版日: 2020-01-28