まえがき
『2012年以降、国連の持続可能な開発ソリューション・ネットワーク (SDSN) が毎年「世界幸福度報告書」を発表している(略)。ではここで、幸福度の判定基準となっている6つの要素を紹介しよう。』
リスト
- 1人当たりGDP
- 社会的支援(「困ったときに頼れる親戚や友人がいますか」という質問への回答で評価)
- 健康寿命(世界保健機関の100項目に及ぶ健康評価による)
- 人生の選択の自由度(「人生でなにをするかを選択する際の自由度に満足していますか?それとも不満がありますか?」という質問への回答で評価)
- 他者への寛容度(「この1か月間で慈善団体に寄付をしましたか?」という質問への回答で評価)
- 社会(官民を問わず)の腐敗をどの程度と認識しているか
あとがき
まえがきを含めて、バーツラフ・シュミル『Numbers Don’t Lie: 世界のリアルは「数字」でつかめ!』 (NHK出版、2021年)より。
幸福度を測るには基準が必要なわけですが、その基準から測定者の「幸福観」が見て取れます。
著者はこの調査についてかなり辛口な評価をしています。分析は捨象して評価している部分だけ引用すると:
これほど雑多な指標がごちゃ混ぜになっている状態だけを見ても、はたしてこれが正確なランキングになっているのかと疑わざるをえない。
とにかく、幸福度ランキングという指標そのものが、じつにばかげているのだ。
さらにつけくわえると、幸福度の高さと自殺率の低さに相関関係は見られない。
- タイトル: Numbers Don’t Lie: 世界のリアルは「数字」でつかめ!
- 著者: バーツラフ・シュミル(著)、栗木 さつき(翻訳)、熊谷 千寿(翻訳)
- 出版社: NHK出版
- 出版日: 2021-03-27