デジタル技術が人間を補完できるやり方


まえがき

『もっと根本的に、(略)テクノロジーの進路を修正する具体的政策を立案し、支援することが必要だ。(略)デジタル技術は以下のようなやり方で人間を補完できる。』

リスト

あとがき

まえがきを含めて、ダロン・アセモグル、サイモン・ジョンソン『技術革新と不平等の1000年史 下』 (早川書房、2023年)より。リストは本文からの引用です。

著者らは、まえがきに引いたように、テクノロジーの進路を修正する必要があると論じています。

テクノロジーは、オートメーション、監視、データ収集、広告へ向かいすぎている。共有された繁栄を取り戻すにはテクノロジーを方向転換させる必要があり、そのために、一世紀以上前の進歩主義者たちにとって有効だった手法の応用版を活用したい。

まずは語り方と規範から変えねば、という文脈でこのリストが登場します。個々の内容についてはもちろん本書で詳述されています。著者のビジョンが窺える部分を、少し長いですが引用します:

テクノロジーの方向転換が、自動化の阻止やデータ収集の禁止を伴う必要はない。人間の能力を補完し補助するようなテクノロジーの開発を促せばいい。
社会と政府は、この目的を達成するために協調しなければならない。過去に成功した主要な改革と同様に、市民社会からの圧力が鍵になる。政府の規制と助成も不可久で、エネルギー問題がその代表例だ。とはいえ、政府はイノヴェーションの中枢にはなり得ないし、官僚がアルゴリズムを設計したり新製品を考案したりするわけではない。必要なのは適切な制度的枠組みと誘因で、それらを政府の政策により整え、建設的な語り方によって奨励して、民間部門が過度なオートメーションと監視から手を引いて労働者によりやさしいテクノロジーへ向かうよう誘導することだ。

(太字は引用者による)

  • タイトル技術革新と不平等の1000年史 下
  • 著者: ダロン・アセモグル(著)、サイモン・ジョンソン(著)、鬼澤 忍(翻訳)、塩原 通緒(翻訳)
  • 出版社: 早川書房
  • 出版日: 2023-12-20

    タグ

    政策 テクノロジー 技術革新 デジタル技術

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