まえがき
『プレスリリースによれば、1週間をストア派のように過ごすにあたり5つの基本原則がありました。数年たった今でも、私は以下の5つの原則に常に立ち返るようにしています。』
リスト
- 人生で起こることの大半は自分にはコントロールできないと認識する。
- 世界をどのようにとらえるかが自分の感情を生み出すことを理解する。
- 悪いことは時に起こるべくして起こり、誰にでも同じようにあることだと受け入れる。
- 自分を、切り離された個人ではなくより大きな全体の一部としてとらえる。人類の、そして自然の一部として。
- 自分が持っているものすべてを、ただ借りているだけで、いつか返す日が来るものだと考える。
あとがき
まえがきを含めて、ブリジッド・ディレイニー『心穏やかに生きる哲学 ストア派に学ぶストレスフルな時代を生きる考え方』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、2024年)より。リストは本文のリストの引用です。このリストはまえがきにあるように、ある「プレスリリース」からの引用でした。どんなプレスリリースなのか、本文からもう少し引用すると:
タイトルは「幸せになりたいですか? では1週間ストア派みたいに生活してみましょう」でした。イギリスのエクセター大学の研究者たちが運営しオンラインで行われる実験で約7000人が参加し、古代ストア派のように生活するもので、毎日の読書と議論が課せられていました。
具体的な実験の情報は書かれていなかったのですが、検索してみると、おそらく Modern Stoicism が運営している Stoic week のようです。実験の成果が論文や書籍で公開されているかもしれませんが、調べが及んでいません。
本書は、ストア派の哲学とは縁の無かった著者が手探りでストイシズムを学び実践していく記録です。たとえば第1項目の「人生で起こることの大半は自分にはコントロールできないと認識する。」とは具体的にどう考えることなのか、そう認識するのが無理な状況もあるよね、やってみて何かが変わったか、といったことを丹念につづっていました。
本書のそういった成り立ちを踏まえて、タイトルは「ストア派の5原則」でなく「ストア派のように過ごす5つの原則」としておきました。
タイトル: 心穏やかに生きる哲学 ストア派に学ぶストレスフルな時代を生きる考え方
著者: ブリジッド・ディレイニー(著)、鶴見 紀子(翻訳)
出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
出版日: 2024-08-23