まえがき
『知的基準 (intellectual standards) は、思考の質を向上させるためのチェックポイント(評価・改善の指標)として機能し、教育現場で批判的思考を育成する際の指標となる。』
リスト
- 明瞭さ (clarity): 主張や説明が明確であり、誤解なく伝わるか
- 的確さ (accuracy): 主張が事実に基づいており、誤りがないか
- 正確さ (precision): 表現やデータが具体的であり、曖昧さがないか
- 妥当性 (relevance): 情報が議論の主題に適切に関連しているか
- 深さ (depth): 表面的でなく、本質的な部分まで掘り下げられているか
- 幅 (breadth): 複数の視点や観点が考慮されているか
- 論理性 (logic): 主張が一貫しており、矛盾がないか
- 重要性 (significance): 情報が議論の核心に関わるものであるか
- 公平さ (fairness): 判断や議論が偏らず、公正であるか
あとがき
まえがきを含めて、参考文献[1] より。まえがきは少しだけ編集のうえ引用しています。リストは論文中にあったものを整形して引用しています。このリストそのものは参考文献[3]からの引用とのこと。また[3]と併せて[2]が参考文献として挙げられています。[2] はずいぶん前に購入した記録があるのですが手元に見つからず。
項目数は多めながら内容は網羅的、説明も端的で、よいリスト。
著者らは “Foundation for Critical Thinking” というWebサイトを立ち上げています。その中の、たとえば “Universal Intellectual Standards” といったページに知的基準の説明があります。
一瞥すると、的確さ (accuracy) と正確さ (precision) の違いがやや分かりづらいところ。というのは、日本語では accuracy も正確さと訳せるので。自分なら「正しさ」と「具体性」を選ぶか、 いや正しさでは幅が広すぎて他の項目を侵食してしまいそう……などと考えるのは楽しいです。
タイトル: クリティカル・シンキング―「思考」と「行動」を高める基礎講座
著者: リチャード ポール(著)、リンダ エルダー(著)、村田 美子(翻訳)
出版社: 東洋経済新報社
出版日: 2003-01-01
参考文献
[1] 鹿目葉子. “『下町ロケットで学ぶ! 12 の社会人基礎力』 における批判的思考育成の可能性.” 日本語・日本語教育 9 (2026): 57-73.
[2] リチャード・ポール、リンダ・エルダー. “クリティカル・シンキング 「思考」 と 「行動」 を高める基礎講座.” 東洋経済 (2003).
[3] Elder, Linda, and Richard Paul. Critical thinking: Tools for taking charge of your learning and your life. Bloomsbury Publishing USA, 2020.
