まえがき
「J.R.ハックマンとE.E.ローラーという二人の産業心理学者は、以下のような六つの仕事の特性がモチベーションを高める働きをすると考えました。」
リスト
- 【多様性】仕事のなかで作業をする人に必要とされる操作の多さや幅の大きさ、仕事で用いる道具や手続きの多さの程度
- 【自律性】作業する人が、計画を立てたり、道具や方法を選択したり、手続きを決定するに際して自らの意見を反映できる程度
- 【タスク・アイデンティティ】作業する人が自らの仕事の全体を見渡し、それの全体を遂行でき、彼らの努力を識別できる程度
- 【フィードバック】どのようにすればどのようになるかについて、仕事そのものから有意義な情報が得られる程度
- 【他者とのかかわり】仕事を完成させるために他者(同僚や上司、顧客など)との関係を必要とする程度
- 【友人形成の機会】作業する人が仕事中に互いに話し合ったり、親しくなれる程度
あとがき
まえがきを含めて『モチベーション入門』より。ハックマンは、のちにG.R.オルダムとともにこれらの特性をMPS(Motivating Potential Score)として進化させたとのこと。具体的には人間関係に関する5と6を除き、【有意味性】(他者に対して意味のある仕事をしている程度)を加え、次のような式にまとめたのです。
MPS=(スキルの多様性+タスク・アイデンティティ+有意味性)÷3×自律性×フィードバック
- タイトル: モチベーション入門 (日経文庫)
- 著者: 田尾 雅夫(著)
- 出版社: 日本経済新聞出版
- 出版日: 1993-08-01