まえがき
『博士らは、7000以上もの製品の「うわさ」を意図的に流し、(略)44日間にわたり130万人をモニターしました。(略)見えてきた傾向を以下に列挙しましょう。』
リスト
- 同年代の間がもっとも情報が伝わりやすい
- 高年齢(31歳以上)のユーザーは、若いユーザー(同未満)に比べて影響力を持っている
- 男性は女性より感受性が高く、情報をそのまま転送しやすい
- 男性が女性に、または女性が女性に与える影響よりも、女性が男性に与える影響のほうが大きい
- この傾向は、付き合っている男女間で特に顕著で、既婚者間では弱まる
あとがき
まえがきを含めて、池谷 裕二『寝る脳は風邪をひかない』 (扶桑社、2022年)より。まえがきの数字の半角・全角は本書のママ引用。リストは本文からの編集・引用です。
フェイスブック上で行われたこの実験、引用元として参考文献[1]が挙げられていました。Scienceに載ったんですね。論文で著者らが推論として挙げていたのは次の4つでした。
- 影響力の強い人は影響を受けにくい傾向があり、影響を受けやすい人は影響を受けない傾向がある。影響力が強くかつ影響を受けやすい人はほとんどいない。
- 影響力のある個人もない個人も、仲間内の影響されやすさの分布はほぼ同じである。したがって、影響力があることは、単に影響されやすい仲間を持っていることから生じる結果ではない。
- 影響力のスコアが高い人は、感受性が高い人よりも多い。
- 影響力のある人はネットワークを形成する。影響力のある仲間とつながっている影響力のある個人は、標準的なユーザーの約2倍の影響力を持っている。
- タイトル: 寝る脳は風邪をひかない
- 著者: 池谷 裕二(著)
- 出版社: 扶桑社
- 出版日: 2022-01-30
参考文献
[1] Aral, Sinan, and Dylan Walker. “Identifying influential and susceptible members of social networks.” Science 337.6092 (2012): 337-341.