まえがき
『結局のところ、パワー、コントロール、影響力。それが、あらゆる対人関係の核心ではないでしょうか。(略)私が言う「パワー」とは、(略)無慈悲なものではなく、単に人に影響を与える能力を意味しています。』
リスト
- 正統パワー(肩書き、市場でのポジション、法律、伝統、確立された手順など)
- 報酬パワー(金銭、賞賛、許し、肩書き、推薦など。売り手は金銭報酬と引き換えに報酬を買い手に与えている)
- 強制パワー(報酬の反対。アメと鞭というときの鞭。ほとんどの場合、認識による。現実ではない)
- 畏敬パワー(一貫した価値観を発信する能力。相手に信念を感じると信頼・尊敬が生まれる。最強の影響力を持つ)
- カリスマ・パワー(人格力。接するすべての人を大切にしているという印象を与える能力。最も分析や説明が難しい)
- エキスパート・パワー(相手が持っていない専門性。他人の行動に影響を与える能力の3大要素は暴力(強制力)・富(報酬力)・知識(専門力)であり、専門力は前二者に勝る)
- シチュエーション・パワー(状況・職務権限から生じる力)
- 情報パワー(相手が持っていない知識を共有すれば絆が生まれ、隠せば威圧感を与える)
- 非常識パワー・その他(他の人も同じリスクを共有しているという情報、混乱した状況から抜け出せるという助言、代替選択肢の存在を知らせる)
あとがき
まえがきを含めて、ロジャー・ドーソン『本物の交渉術 あなたのビジネスを動かす「パワー・ネゴシエーション」』 (KADOKAWA、2021年)より。リストは本文を要約して作成しました。本文では8つのパーソナルパワーが挙げられており、補足として非常識パワーが添えられていました。
著者は相互排他性よりは網羅性を重視したようで、一部重複や曖昧な定義があるようにも思います。本文では、これらの組み合わせがいかに強い影響力となって現れうるかなどが豊富な事例と共に解説されています。ふだん無意識に感じている影響力のやり取りが可視化される印象を受けました。
- タイトル: 本物の交渉術 あなたのビジネスを動かす「パワー・ネゴシエーション」
- 著者: ロジャー・ドーソン(著)、小山 竜央(監修)、島藤 真澄(翻訳)
- 出版社: KADOKAWA
- 出版日: 2021-12-16