まえがき
『自己複製分子と、樹木や魚やプードルのような自己複製生物との隔たり(略)に橋をかけてきた一連の基本的な再編プロセスを、進化生物学者のジョン・メイナード・スミスとエオルシュ・サトマーリは、進化における主要な移行と呼んだ。』
リスト
- 第一の移行: 個々の自己複製する分子から、多数の分子が膜によって外界から遮断され、安全に守られている状態への移行
- 第二の移行: 個々の複製分子を科学的な「ひも」につなぎ合わせ、個々の複製分子の運命を同じひも(現代の細胞でいうところの染色体)につながれた別の複製分子の運命と結びつけて、分子間の「協力」を促す圧力を生みだし、生化学的な複雑さをさらに増大させたこと
- 第三の移行: DNAの「発明」
- 第四の移行: 膜に守られた個別の細胞核の発達
- 第五の移行: 純粋な無性生殖とは別に有性生殖(二個の生物のDNAを混ぜ合わせる生殖)のオプションが生じた
- 第六の移行: 単細胞生物から多細胞生物への移行
- 第七の移行: 単体での生活から、遺伝的関係のある相互依存的な群集(コロニー)での生活への移行
- 第八の移行: 言語の出現
あとがき
まえがきを含めて、モーテン・H・クリスチャンセン、ニック・チェイター『言語はこうして生まれる: 「即興する脳」とジェスチャーゲーム』 (新潮社、2022年)より。まえがきは一部編集して引用しています。リストは本文をリスト化しました。一部語尾を整えた部分があります。
これは参考文献[1]の『生命進化8つの謎』 からの引用とのこと。興味を惹かれましたが、8つの謎とは何だったのかよくわからないというレビューもあったので、この本からの引用のほうがわかりやすいかもしれません。
- タイトル: 言語はこうして生まれる: 「即興する脳」とジェスチャーゲーム
- 著者: モーテン・H・クリスチャンセン(著)、ニック・チェイター(著)、塩原 通緒(翻訳)
- 出版社: 新潮社
- 出版日: 2022-11-24
参考文献
[1] ジョン・メイナード・スミス、エオルシュ・サトマーリ『生命進化8つの謎』 (朝日新聞社、2001年)
- タイトル: 生命進化8つの謎
- 著者: スミス,ジョン・メイナード(著)、サトマーリ,エオルシュ(著)、Smith,John Maynard(原名)、Szathm´ary,E¨ors(原名)、敬, 長野(翻訳)
- 出版社: 朝日新聞社
- 出版日: 2001-11-01